家の中は清潔に保ちたいものです。
こまめに掃除をする、ゴミをきちんと捨てるといったことはもちろん大切ですが、目に見えない要素で気になるのが、ニオイ。
特にトイレや冷蔵庫の中など、油断をしているとあっという間にイヤなニオイを放つようになってしまいます。
そういうときのためにあるのが、消臭剤。
これを置いておくだけでニオイがすっかり取り除かれるのですから、本当に便利ですよね。
しかし、消臭剤は消耗品。意識せずに放っておいたら、いつの間にか効果がなくなってしまっていた、ということがよくあります。
そして、予備を買いそびれていて、そういうときに限って誰かを自宅に招く予定がある、なんてことも、あるあるの一つでしょう。
この記事では、そんなときに消臭剤の代用品として使えるものを7つ、紹介していきます。
消臭の仕組み
まず、消臭剤がどんな仕組みでニオイを取り除いているのかについて、簡単に解説しておきましょう。
消臭剤の主な仕組みとしては、次のようなものが挙げられます。
化学反応により消臭する
これは、ニオイを発生させる成分を化学的に打ち消すことで、ニオイを取り除くという方法です。
いちばんわかりやすい例としては、酸性とアルカリ性の中和が挙げられるでしょう。
学校の授業でも習ったとおり、酸性のものとアルカリ性のものが触れ合うと、中和という化学反応を起こし、もともとの性質を失います。
それを利用することで、酸性のニオイの元にアルカリ性の物質を、そしてアルカリ性のニオイの元に酸性の物質を触れさせ、消臭が可能になるわけです。
成分の吸収により消臭する
ニオイには、必ずそれを発生させている成分があります。
何もないところからニオイが生まれることは絶対にありません。
これはつまり、その成分さえ取り除いてしまえばよいということなわけですので、単純な方法として、ニオイの元となる成分を吸収してしまうというものが考えられます。
物質の中には、空気中を漂う成分を吸収する性質を持っているものがあります。
そういうものを消臭剤として使うことで、物理的にニオイを消してしまうというのが、このやり方となります。
雑菌の繁殖を抑えて消臭する
ニオイは雑菌が発生させている場合もあります。
そういった菌はすごい勢いで繁殖しますので、放っておくとどんどん悪臭がひどくなってしまいます。
その対策として、雑菌を繁殖させないようにする、という方法があります。
要は殺菌消毒による消臭ですね。
消臭剤の代用品いろいろ
それでは、消臭剤の代用品として使うことのできるものを、順に紹介していきましょう。
コーヒーや緑茶の出し殻
コーヒーや緑茶を飲んだあとに残る、出し殻。
普通ならもう用無しで、捨てるしかないものですが、これらを消臭剤の代用品として使うことができます。
これらの出し殻には、目に見えない細かい穴がたくさん開いており、そこからニオイ成分を吸収する効果があります。
どちらも酸性なので、アルカリ性のニオイ成分に対して効果を発揮します。
代表的なところとしては、トイレに使うことが考えられるでしょう。
注意すべき点としては、しっかり乾燥させてから使うこと、が挙げられます。
湿った状態でも消臭効果はあるのですが、数日でカビが生えてしまう可能性があるのです。
清潔さを保つ目的で、そんな風になって欲しくはないですよね。
乾燥させる方法としては、日当たりの良い場所に置いておく、フライパンで軽く炒る、電子レンジにかける、などがあります。
小皿や瓶、紙パックなどに入れ、消臭したい場所に置いて使いましょう。
お酢
調味料として使われるお酢。多くの家庭の台所に備わっているアイテムですね。
これを消臭剤の代用品として使うこともできます。
お酢も酸性ですので、アルカリ性のニオイ成分に対して効果を発揮します。
アンモニア臭やタバコの煙を消すことができるので、トイレや喫煙場所での消臭効果が期待できるでしょう。
使い方としては、小皿に入れて置いておくのもよいのですが、水で薄めてスプレーするというのがオススメです。
食パン
毎日食べている人も多いであろう、食パン。
これも消臭剤の代用品として使うことができます。
使い方は、黒焦げになるまで焼くこと。黒炭のようにしてしまうのです。
そうしてできた真っ黒な食パンを、ある程度の大きさにちぎって、フタのない容器などに入れておくことで、消臭効果と、ついでに吸湿効果が期待できます。
ただし、場合によってはカビが発生することもあるので、その点は気をつけましょう。
レモンやミカンの皮
レモンやミカンといった柑橘系のフルーツの皮には、消臭効果があります。
したがって、これを消臭剤の代用品として使うことができます。
特に難しい使い方はありません。
ニオイを取り除きたい場所にそのまま置いておくだけで、期待に応えてくれるでしょう。
ただ、皮をそのまま置いておくのは見栄えが悪いですから、おしゃれな容器に入れるなどの工夫をするとよいかもしれません。
マッチ
今はライターがあるので、あまり持っている人はいないかもしれませんが、マッチに火を点けることにより、消臭スプレーのような意味で代用品として使うこともできます。
マッチでニオイを消すことができる理由は、火を点けることにより化学反応で硫化水素が分解されるからです。
硫化水素の多い場所といえば、代表的なところはトイレ。
なので、使用したあとのトイレでマッチをすることで、悪臭対策になります。
ただし、使い終わったマッチをトイレに流すのは控えるようにしてください。
詰まらせる原因となってしまいます。
かまぼこ板や割りばしなど
使い終わったかまぼこ板や割りばしなどを、何となく保管している人もいるのではないでしょうか。
それらにアルミホイルなどを巻き、焼いて炭にすることで、消臭剤の代用品として使うことができます。
炭にはニオイ成分を吸収する効果があるからです。
真っ黒になったかまぼこ板や割りばしは、そのままでは特に美しいものでもないかもしれませんが、器に凝ってみることで、意外とオシャレなインテリアのようになります。
場所に応じて、いろいろ工夫することで、消臭効果だけでなく、調度品としても便利に使えるものになるのではないでしょうか。
重曹
ご存知の人も多いと思われますが、重曹は「何かをキレイにしたい」さまざまな場面において、威力を発揮するアイテムです。
そしてそれは、消臭剤の代用品としての効果も持っています。素晴らしいですね。
重曹はアルカリ性であるため、酸性のニオイ成分に対して効果を発揮します。
たとえば汗のニオイや、漬け物のニオイなどですね。
逆にアルカリ性のニオイ……たとえばトイレのニオイなどには効果がありませんので、使いどころには注意する必要があります。
容器に重曹を入れて置いておくのもよいですし、水で薄めてスプレーするのも効果的です。
都合に合わせて使い分けをしてみましょう。
注意点
ここまで代用品の具体例を紹介してきましたが、ここではそれらに共通する注意点を二つほど挙げておきます。
定期的に取り替えよう
これは当たり前のことではあるのですが、代用品をいつまでも放置しておくのはよいことではありません。
それぞれの項で説明したように、カビが生えてくることもありますし、そうでなくても時間とともに効果が薄くなってくるものです。
なので、きちんと頭の片隅に置いておき、一定の期間で取り替えることはとても大切です。
消臭剤を新しく買うまでの「つなぎ」として使っているぶんには、このあたりは問題ないかもしれませんが、いちおう注意しておくようにしましょう。
ゴミと間違われないようにしよう
あなたが消臭剤の代用品として置いたものも、事情を知らない人から見れば「変なところに変なものが置いてある」という風にしか見えない可能性もあります。
たとえば、あなたが一人暮らしで、そこに親がやって来た場合など、ゴミと間違われて捨てられてしまったりするかもしれません。
代用品を使うときには、他の人にきちんと説明するのを忘れないようにしましょう。
まとめ
以上、消臭剤の代用品として使えるものを7つ、紹介しました。
ニオイというのは目に見えない嗅覚情報ですが、避けるのが難しいという意味では、視覚情報よりも重要になってきます。
「見て見ぬフリ」は簡単にできますが、「嗅がないフリ」は難しいのです。
そういう意味でも、ニオイ対策を怠るべきではありません。
もし消臭剤を切らしてしまったときには、この記事で紹介したことを参考に、さわやかな空間を保つことを途切れさせないようにしてください。