かつては、スパゲティと呼ばれ「ミートソース」か「ナポリタン」のイメージしかなかったものが、最近では味や素材の種類も豊富になり、家庭でも外食でも、すっかり人気食となったパスタ料理。
なかでもトマトとひき肉を使ったパスタは、美味しさと食べやすさから大人にも子供にも定番となっています。
トマトとひき肉を使ったパスタといえば「ミートソース」と「ボロネーゼ」。
この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
「ミートソース」とは
「ミートソース」という呼び名は古くから日本でも親しまれていますが、パスタ料理での「ミートソース」はトマトや玉ねぎ、ひき肉などを炒めて赤ワインなどで味付けし、煮込んだ“甘みのあるソース”を、スパゲティと絡めて食べる料理のことをいいます。
「ボロネーゼ」とは
「ボロネーゼ」とは、トマトや玉ねぎ、ローリエ、ひき肉などを炒めて赤ワインなどで味付けし、煮込んだ“香味野菜のソース”を、パスタと絡めて食べる料理のことをいいます。
作る工程は「ミートソース」と大きな差はないようです。
「ミートソース」と「ボロネーゼ」のちがい
「ミートソース」は甘みのあるソース、「ボロネーゼ」は香味野菜のソースであることがちがいですが、そのほかのちがいを見ていきましょう。
「ミートソース」は「ボロネーゼ」に比べてトマトの使用量が多く、その分ソースが甘めになります。
一方、「ボロネーゼ」は、「ミートソース」に比べ、ひき肉の量や味付けの赤ワインの量が多くなります。
甘さは少なく、お肉のうま味や香味野菜の香りを楽しむものとなります。
そして、さらに大きくちがうのは、使用する「パスタ」の種類です。
「ミートソース」には、スパゲッティーニと呼ばれる、太さ約1.7mmほどの細い麵状のパスタを使っています。日本でいうところのスパゲティは、このパスタのことを指していることが殆どです。
「ボロネーゼ」はというと、タリアテッレと呼ばれる平打ちのパスタを使用しています。厚さ約1mm、幅は約5mmほどのパスタでしっかりとした歯ごたえが特長です。
このタリアテッレはイタリアのボローニャ地方が発祥なのですが、実は、「ボロネーゼ」というパスタ自体もボローニャ地方が発祥であり、ボローニャ地方で生まれたパスタをボローニャ地方で生まれたソースで食べるものが「ボロネーゼ」となるのです。
「ミートソース」は「ボロネーゼ」がアメリカに渡り、アレンジされて確立されたものであり、それが日本に入ってきて、日本人向けの味付けに改良されたものが、日本でいうところの「ミートソース」なのだそうです。
「ミートソース」と「ボロネーゼ」の違い (まとめ)
「ミートソース」と「ボロネーゼ」のちがいはわかりましたでしょうか。違いを理解したうえで、改めて両者を食べ比べてみる、作り比べてみる、というのもまた一興、かもしれませんね。