「新しい携帯電話のとくちょう」など「とくちょう」を漢字で表すとき、「特長」と「特徴」のどちらなのか迷うことはないでしょうか。
「特長」「特徴」はどちらも「とくちょう」と読み、「特」の漢字が共通で使われています。
そのため、使い方を迷いやすい言葉です。
今回は、「特長」と「特徴」の違いについてお伝えします。
「特長」とは
「特長」の意味は、
- すぐれているところ
- 他のものとくらべて特にすぐれているところ
- 他とくらべて良い点
です。
熟語「特長」は、
- 「特」…特別にすぐれている
- 「長」…すぐれている
の意味をもつ漢字から成り立ち、「他のものとくらべて特によいところ」を意味します。
「長」の字をもつ熟語として、他に「長所」(よいところ)があることからもわかるように、「長」は「すぐれている」という意味を示すのです。
「特長」の類義語としては、
- 強み
- 魅力
- 取柄
- メリット
- 利点
- 美点
などがあり、「特長」の類義語もすべて「特長」と同じように、「他に比べて良い点」を意味しています。
「特徴」とは
「特徴」の意味は、
- 他とくらべて違うところ
- 他より目立っているところ
- きわだっている点
です。
熟語「特徴」は、
- 「特」…特別にすぐれている
- 「徴」…しるし、隠れた意味のあるもの
の意味をもつ漢字から成り立つことから、「他とくらべて特に目立つところ」という意味を示します。
「徴」の字が下につく二字熟語としては、他に
- 象徴
- 性徴
- 病徴
などがあり、以上の熟語に使われる「徴」は、「しるし」「隠れた意味のあるもの」を意味することがわかります。
「特徴」の類義語として、
- 特質
- 習性
- 特色
- 持ち味
- 性質
- トレードマーク
などがあり、「特徴」の類義語もすべて「特徴」と同じように、「他とくらべて違うところ」「他よりめだっているところ」を意味しています。
「特長」と「特徴」の違い
「特長」と「特徴」の違いをまとめると、
「特長」
「特長」の意味は、
- すぐれているところ
- 他のものとくらべて特にすぐれているところ
- 他とくらべて良い点
です。
「特長」の「長」は、「すぐれているところ」を意味します。
「特長」の類義語は、「長所」「メリット」「強味」「魅力」などがあり、「特長」は「他に比べて良いところ」のみを表します。
「特長」は、欠点を表すときには使われません。
「特長」を使った例文
- 彼は、皆を幸せにするような笑顔が特長だ。
- この車の特長は、燃費が良い点です。
- あの大学は、様々な面での研究実績が特長だ。
また、この土地の特長を活かせば、豊かな野菜が実るでしょう。のように、「~のとくちょうを活かす」の表現を使うときは、「良い点のみを活かす」ということになるため、必ず「特長」を用います。
「特徴」
「特徴」の意味は、
- 他とくらべて違うところ
- 他より目立っているところ
- きわだっている点
です。
「特徴」の「徴」は、「しるし」を意味します。
「特徴」の類義語として、特質、習性、性質、トレードマークなどがあり、「特徴」は「目立っているところ」を表します。
よって、「特徴」は長所・短所どちらがある場合でも使うことができるのです。
「特徴」を使った例文
- アフリカの気候は、年間の気候差が小さく1日の気温差が大きいという点が特徴です。
- 逃げた犯人の特徴は、長身で全身黒ずくめの男だ。
- このカーペットの柄は特徴的だ。
「特長」と「特徴」の違いまとめ
「特長」と「特徴」の違いについてお伝えしました。
「特長」と「特徴」は、どちらも「他とくらべて目立つこと」を表します。
二つの違いは、
- 「特長」は、長所やすぐれている点のみを表す
- 「特徴」は、長所短所どちらも表すことができる
です。
また、「長」は「長所」「徴」は「しるし」という漢字のイメージをもつと、違いがわかりやすくなります。
「特長」「特徴」はどちらもよく使われる言葉ですので、違いをしっかり理解しておきましょう。