子どもがお父さんに求めること、それはズバリ「安心感」ではないでしょうか。
男の子は、もちろんお母さんのことが大好きです。けれどもその一方で、お父さんから得られる安心感は「同性の大人」への信頼につながります。
成長していく中でこの感覚はとてもだいじなものだと思います。またお父さんから得られる安心感は、日々子育てに奮闘するお母さんにとっても、非常に大きな支えとなります。
父親は男の子にどうやって接してあげればいいの?
難しく考える前に、まずはたくさん笑顔で接しましょう。
日々子どもと向き合っているお母さんはどうしても笑顔ばかりではいられません。特に動きの激しい男の子に付き合うのはとっても大変。
「どうしてそんなことするの?」と理解不能な行動をとることもしばしば。
そんなときお父さんが笑顔でいてくれるだけで、子どももお母さんもほっとできるものです。お母さんからは「おいしいところだけ取ってずるい!」と言われそうですが…それでもいいと思うんです。
何より男の子にとって「笑顔のお父さん」というのは同性としてとてもよいお手本になると思います。
お父さんだから難しいことを言わなきゃいけない、甘やかしてはいけない、ガツンと言わなきゃいけない…勿論そういう場面も来るでしょう。また毎日の仕事で疲れているのも当然です。「休みの日くらいゆっくりさせてくれよ」って思いますよね。
けれども、お子さんにとってはおうちにいる時のお父さんがすべてです。
その時に難しい顔、つまらなそうな顔、疲れ切った顔…そんな顔ばかりを見せられたら、男の子は「大人の男性」に対してがっかりします。
「君といると楽しいよ」という気持ちを、どうかお父さんは息子さんに示してあげてください。これは、お母さんがどう頑張っても与えてやれない大切な安心感につながるのではないでしょうか。
また少しお子さんが大きくなってきたら、ぜひよい聞き役となってあげてほしいです。もちろんお母さんだってよい聞き役です。けれどもそれとはまた別に、男の子にとって「お父さんが自分の話を真剣に聞いてくれた」という経験は、同性同士のコミュニケーション力を養うためにも大変重要だと思います。
小さい頃の話は荒唐無稽だったり筋の通っていないものだったりします。決して解答を求めているわけではない場合も多いのです。「ただ話に耳を傾けてほしい」、その気持ちを大切にしてあげてください。
男の子の子育てでやっていいこと・だめなこととは?
男の子だからこうする、女の子だからこうする…ということは一概に言えるものではないでしょう。
男の子にだって様々なタイプがありますから、兄弟間でも「上には良かったのに下にはだめだった」などという例はたくさんあると思います。
やっていいことというよりも、まずは夫婦のコミュニケーションがしっかり取れているかどうか、この点が子育てのおいてはもっとも大切ですね。
毎日毎日細かいことまで話し合う必要がある、というわけではありません。お父さんとお母さん、二人が同じ方向を向いていればそれでいいのです。
子どもはこうしたことには敏感です。お父さんの言うこととお母さんの言うことが違う、またはどちらか一方の考えしか伝わらないということが幼少期から続くと、子どもの不信感は募ります。特に男の子の場合、「お父さんの考えが見えない」というのは不安なものです。
「そんなこと言わなくてもわかるだろう」と考えがちなお父さんも多いと思いますが、はたしてそうでしょうか? 男の子は意外と察するのが下手ではありませんか? 自身の幼少期や少年・青年期を考えてみると思い当たることもあるのではないでしょうか。
また男の子はある物事があった時に、あとから間をあけて話をされるのが女の子よりは苦手という印象があります。
我が家は姉弟という構成です。姉はあとになってから話をしても比較的記憶が鮮明で、「わかった」と言ってくれることも多かったのですが、弟の場合は記憶自体が薄れているような??……「何だかピンと来てないなー」という感じがしたものです。
男の子の興味・関心は絶えず移っていきます。ですから「あとから言う」という方法は男の子の場合はできるだけ避けた方がよいのではないでしょうか。
腰を据えて向き合おう
以上のようなことから、男の子を育てていく中で「その都度、言葉できちんと伝える」ということはとても重要なのではないかと思います。
また、同じことであってもお母さんに言われるのとお父さんに言われるのとでは子どもの受け止め方は違います。特に男の子の場合、お父さんの言葉はかなり響きます。決して言葉数の話ではなく、要所を押さえて責任をもった声かけをしていくことがお父さんには求められるでしょう。
「細かいことはお母さんに任せているよ」というお父さんであるならばよけいに、いざという時に右往左往することがないよう、ドンと腰を据えて男の子と向き合ってほしいものです。