幼い頃は、女の子みたいとまで言われていた息子さんが、徐々に男の子へと成長していく姿をみて、頼もしいと思う反面、どこか寂しさを感じていくことはありませんか?
いつの間にか身長がぐんと伸びていたり、考え方がかわってきたり…。
ちょうどその時期に始まるのが第二次性徴です。心も体が子どもから大人へと変化していくプロセスを、それぞれに分けて見ていきたいと思います。
第二次性徴でおこる身体的な変化
第二次性徴における変化が一目で分かるのが、身体に現れる変化です。それは主に、生殖機能の発達から始まります。
身体的に起こる変化の順番としては、性器の変化から先に訪れます。精巣が増大し、陰嚢の色が変わり、陰茎(ちんちん)が長くなり、陰毛が生え始めます。
そして精通と言われる初めての射精を経験するようになります。ちょうどこの時期は、中学生くらいになっているので、男の子同士で生殖器に関しての話題や陰毛のあるなしなどの話題で盛り上がるころでもあります♪
そしてその次に、声変わりが始まります。
声変わりが始まって、やっと周りから見ても第二次性徴が始まったのだと分かる気がします。
小学校の高学年にもなれば、男の子は特に母親となんてお風呂に入らないと思うので、生殖器の変化にはなかなか気づくことはないと思います。それゆえ、声変わりは周囲へ順調に成長しているよという証拠とも言えます。
しかしながら、声変わりの時期は本人にとってはもどかしい時期かもしれません。うまく声が出せず、ガラガラ声になってしまうので、ストレスが溜まるというケースもあります。また、それまでかわいらしかった声から、声変わり後には低い声になって違和感を覚える子もいるでしょう。なので、この時には喉に負担をかけさせないように注意してあげてください。
声変わりが訪れてから、陰毛以外の場所にも体毛が生え始めます。
わき毛や髭が生えてきて、若干ですが乳輪や乳頭も色が濃くなります。体毛に関しては、男性ホルモンの量にも差がありますが、男性ホルモンが多く作用する子は体毛が濃くなり、髭も丁寧に剃らないとすぐに生えてきてしまう子も出てきます。そのため、早い子では髭剃りについても学び始める時期にもなります。
次に、陰茎の先の包皮が後退し剥けてきます。
そして、陰嚢や包皮が黒ずんできます。包皮が剥けることを包茎と言いますが、中高生ぐらいになったら、お風呂の時などに少しずつ自分で剥くようにしていくといいでしょう。ちゃんと剥けていないと、包皮の部分に汚れが溜まったり、菌が入って病気になったりと危険があるので要注意です。
ここからは最後の変化として、筋肉や骨格などの体つきに関する変化が訪れます。
肩幅が広くなり、筋肉が付いてがっしりとした身体になり、顔つきもキリっとしてきます。中高生になるときには母親の身長を追い越す子もいるでしょう。また、体臭もで始めるので、臭い対策などに気を遣うようになるのも、この頃の特徴かもしれません。
第二次性徴でおこる精神的な変化
第二次性徴におこる変化で、親と子でもっとも苦しみ悩むことは心の変化についてです。体が大きくなると、時として周りからもそれなりの大人の対応を求められるようになります。しかし、身体の大きさと心の成長スピードは比例してはいません。第二次性徴がきて、子どもから大人へと向かおうとしている子どもの心に対して、注意して接しなくてはいけません。
第二次性徴が訪れると、子どもはどんな心の変化が起きているのか見ていきたいと思います。
- 親から自立したいという気持ちが強くなる
- 家族以外との関りを重視する
- 情緒不安定でちょっとしたことがイラっとしてしまう
- 個人として扱ってもらいたいと思う反面、ほっとかれすぎるのも嫌がる
- とにかく何もかもが気に入らない
- 異性に対して興味がわいてくる
とこのような気持ちを抱くようになります。それは、自分の中にある自己を模索しているように感じます。言い換えれば、親元から巣立つための準備期間なのではないかと思います。
幼い頃は、親から守られてきて居心地が良かったと思います。
それが大きくなるにつれて、出来なかったことが出来るようになり、経験を積んで自信につながったときに、何でもしてくれる存在が急に煩わしく感じてくるのです。
それが自立心になり、親への反発という形で表されているのです。自分で何でもできると思っているので、そこに口を挟んでくる存在がうるさく感じ、反抗的な態度をとります。だからこそ、同じ気持ちを抱いている仲間とのつながりを大切にし、つるんでいたいという流れになっていくのです。
また、異性への興味が強くなってくるのもこの頃です。
小さい頃の好き嫌いとは意味が変わってきて、肉体的な関心ごとが主となってきます。男女ともに体つきが変わり、自分とは異なる体への興味がより一層わくことでしょう。しかし、この時期は特に要注意な時期です。本能のままに行動すると、取り返しのつかない事態を招いてしまう危険もあるからです。
なので、もしも肉体関係を持つようなことがあるとしても、そのことで生じる危険や責任について自覚しなくてはいけません。それが理解できてこそ、自立につながるということを教えていかねばなりません。
まとめ
男の子から大人の男へと変化していくにつれて、様々な準備に入る第二次性徴。身体が大きくなるだけではなく、生殖機能の発達、つまり子孫を残すための機能が備わり、異性に対する性的な関心も強まり、心身ともに正常に成長している証なのですが、男の子の親としては心配な時期でもあります。
しかし、そこで重要なのは、第二次性徴を迎える前に親子でこれから訪れる身体の変化について、前もって話し合っておくことです!
小学校の高学年ともなれば、学校でも性に関する勉強がなされるかもしれませんが、家庭で話し合うということがとても大切なのです。
性について話し合うことが恥ずかしいと思っているかもしれませんが、性に対してきちんと正しい知識を教えないことの方が恥ずかしいことだと思います。
むしろ、恥ずかしいことではなく、とても大切なことなのだと教えてあげられることが重要なのです。この大切なことを家族で話し合えるかどうかが、第二次性徴になったときの親子間のギクシャクした関係の緩和に影響するのではないかと思っています。
誰しも成長の過程で第二次性徴におこる変化のせいで、心が不安定になってしまいます。それは避けては通れません。しかし、緩和することはできます。なので、第二次性徴におこる変化が訪れる前に、一度お子さんと話し合っておくことをおすすめします。