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子どもの耳垢はどうしてる?取れない場合は耳鼻科へいこう!

お子さんの耳掃除をするときに「どれくらい掃除してあげたらいいの?」と疑問に思っている方は多いと思います。

目に見えるような大きな耳垢があった場合、ちょっと奥だったとしてもついつい取りたくなってしまいますよね。

でもご家庭で奥の方まで耳掃除をするのは、外耳道を傷つける恐れがありかえって危険なのです。無理をせずに耳鼻科で取ってもらうようにしましょう。

  

子どもの耳垢の普段のケ?

耳垢は外耳道の皮膚にある皮脂腺から出る分泌物と表皮、外からのほこりなどが混ざったものです。

発生するのはごく自然なことで、外耳道の皮膚を保護したり虫などの侵入を防いだりする役割があります。

また耳垢は弱酸性であるため殺菌作用があり、外耳道の奥にある「鼓膜」を細菌感染や乾燥から守るといった役割もあります。ですから、耳の中の環境を保つ上で耳垢を過度に取り除こうとすることはむしろマイナスです。

 

耳垢には乾いたものと湿ったものとの二種類があります。日本では乾いたタイプの人の方が多いようですが、この性質は親から遺伝するということです。

耳垢はあごや外耳道に生えている細かい毛の動きなどによって自然と外に押し出される仕組みになっています。

ですから、「家庭で耳掃除をする必要はない」という意見の耳鼻科医もあるほどです。

家庭での過度な耳掃除は外耳道炎などを引き起こすことがあります。外耳道を傷つけないように充分注意する必要があるでしょう。

 

家庭での耳掃除は、耳垢が乾いたものか湿ったものかというタイプにもよりますが、基本的には2週間から1か月に1、2回、あとは耳垢が溜まっていると感じた時に掃除をするといった程度でよいといわれています。

 

お風呂上がりに毎回めん棒で耳の中まで水分を拭き取るといったことも必要ないそうです。

水分は体温で乾くため、耳の表面の水分をタオルで取る程度で充分だそうです。

 

家庭で耳掃除をする場合、子どもをひざなどに寝かせて行うことがありますが、これはあまりおすすめできません。

乾いた耳垢の場合、耳垢が耳の奥に落ちていってしまうことがあります。

また、寝ている姿勢ですとめん棒を必要以上に奥の方まで入れてしまう恐れがあります。

耳掃除をする際には子どもを座らせた状態で行うのがよいでしょう。暗い場合にはペンライトや懐中電灯などで照らしながら行いましょう。

周囲に兄弟やペットなどがいないことも充分に確認してから行ってください。「耳掃除をしている途中に何かがぶつかってきた」という事故は意外と多いそうです。

 

子どもの場合、耳かきはかえって皮膚を傷つけることがありますので基本的にはめん棒を使用しましょう。

優しくぬぐうようなイメージで、見える範囲の耳垢を取り除くだけで充分です。

具体的には、耳の入り口から1センチ程度でよいとされています。それ以上入れてしまうとせっかく外に出ようとしていた耳垢をかえって奥に押し込んでしまうことになります。

めん棒にあらかじめ印をつけておくなどしておくと、それ以上奥まで入れることを避けられます。大人用のめん棒は太いため耳垢をかえって耳の奥に押し込んでしまうことがあります。子ども用の細いめん棒を使用しましょう。

耳の壁面をめん棒で何回も擦ったりすることもやめましょう。外耳道にひっかき傷ができると外耳道炎などのトラブルの原因となることがあります。

 

耳垢が乾燥しているタイプの場合、めん棒にベビーオイルをしみこませて耳の中に塗ると、しばらくして耳垢がふやけてきて取りやすくなるようです。

吸引型の耳かきも市販されています。乾いた耳垢の場合にはこうしたものも有効でしょう。

 

湿ったタイプの耳垢の人は乾いたタイプの人より耳垢が溜まりやすい傾向にあります。湿った耳垢はめん棒を使うとかえって奥に入ってしまうことがあります。より細いベビー用のめん棒でそっとふき取るか、耳鼻科で定期的に掃除をしてもらうことが有効です。

  

耳垢は無理に取らずに耳鼻科へ

家庭でお手入れをしていてもどうしても耳垢は溜まっていきます。

実際、子どもの耳の中をのぞくと奥の方に耳垢があるのが確認できる…ということはよくあることでしょう。

「耳垢は自然と外に押し出される仕組みになっている」と上で書きましたが、耳垢のタイプや体質的に外に出にくいといった理由などにより、どうしても中で溜まってしまうことがあります。

こういった場合は無理に取ろうとせずに耳鼻科を受診しましょう。

 

特に、耳垢が耳の壁に張り付いている場合に無理にはがそうとすると外耳道を傷つけることがあります。

外耳道の傷は炎症の原因となります。先の丸いピンセットなども市販されていますが、奥の方まで差し入れるのは危険ですのでやめましょう。

耳の中がきれいに見えるというお子さんの場合でも、半年に一度程度は耳鼻科で耳穴の奥の掃除をしてもらうとよいといわれています。

「耳の掃除だけで受診していいのだろうか?」と悩む方もいると思います。しかし、むしろ耳の掃除は耳鼻科で行うようにと推奨しているお医者さんもいるのです。積極的に受診しましょう。とはいっても、中には「耳垢は自然と排出されるものだから掃除は行わない」という耳鼻科もあるようです。事前に耳垢を取ってもらうために受診してよいかどうか問い合わせをしておくと安心ですね。

 

溜まった耳垢を放っておくと「耳垢栓塞」(じこうせんそく)という状態になってしまうことがあります。

耳垢栓塞は耳垢が外耳道を塞いでしまうことをいい、耳垢が詰まって鼓膜が見えない状態になることをいいます。年齢や性別に関係なく起こるものですが、乾いた耳垢よりも湿った耳垢の人がなりやすいといわれています。湿った耳垢の場合は日頃のお手入れでもなかなか取り切れず、耳の壁面に張り付いて固まってしまうからです。

また子どもの外耳道は細いため、大人よりも耳垢塞栓が進みやすいといえます。

 

耳垢塞栓は難聴や耳鳴りを引き起こします。外耳道炎の原因となることもあります。

しかし子どもの場合、症状を自分で訴えるということはなかなかないでしょう。

学校などの集団検診で指摘されて初めて分かったという場合もあります。ですから定期的に耳鼻科を受診することはとても大切なことといえます。

 

 

耳垢栓塞の治療は「固まった耳垢を取り除く」ということになります。

ピンセットや吸引機で取り除くことになりますが、場合によっては数回の通院が必要となります。

耳垢が耳の中で固まって壁に張り付いてしまっている場合に無理に引っ張って取ることはできません。耳垢を薬剤によって柔らかくしてから後日取り除くことになるからです。

 

その場合には、医師の指示にしたがって家庭で数回薬を点耳し、数日後に再来院するという流れになるでしょう。

子どもの耳に液体の薬を注入するのはなかなか難しいことですが、寝ている時などを見計らって行うとよいでしょう。

多少こぼれてしまったりするのは仕方がないと思いますが、どうしても自宅での点耳が難しいという時には無理をせずに医師に相談しましょう。

もしも耳垢が完全にふたのような状態になってしまっている場合には治療が長くなる可能性がありますが、そういった際に無理に自宅でふたとなっている耳垢に触ろうとするのはやめましょう。

必ず医師の指示にしたがってください。

  

かかりつけの耳鼻科医を持とう

いずれにしても、定期的に耳鼻科を受診することは子育ての中の一つの習慣としてぜひ付け加えたいことです。

小児科についてはほとんどの皆さんがかかりつけ医を持っていらっしゃることと思いますが、耳鼻科などはどうしても「症状が出てからかかる」ということが多くなってしまいます。

しかし、耳というデリケートな部分の診察を受けることに恐怖を感じるお子さんもいます。痛みや不調を感じてから診察を受けさせるのは大変という場合も多いでしょう。日頃から「行き慣れておくこと」はとても大切なことだと思います。

耳垢塞栓については、ひどくなってから受診するとそれだけ治療の際のお子さんやおうちの方の負担も大きくなります。お子さんの耳の状態を見て、少しでもふたのような状態になっていたらすぐに受診することがいちばんの方法です。

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