皆さんは寛永通宝をご存知ですか?教科書などで見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
今回はこの寛永通宝の歴史的背景にも触れながら、その種類や価値などについて説明していきたいと思います。
寛永通宝ってどんな通貨なの?
寛永通宝は江戸時代に広く流通した硬貨として有名です。
寛永通宝はその種類の多さからも有名な硬貨で、なんと約1,000種類ほどもあると言われています。
寛永通宝の成り立ち
江戸幕府に変わったころ、幕府は通貨の統一に乗り出しました。
戦国時代の大名はそれぞれが作り出した独自の通貨を流通させていたためです。
そこでまず手始めに全国の金貨と銀貨を統一する施策に出ました。
1601年のことです。
これによってかの金座・銀座が作られたと言われています。
その後1626年には銭貨の統一を目指し寛永通宝が提案されるのですが、当初は寛永通宝は受け入れられませんでした。
時は変わってその十年後、1636年になると幕府によって銭座が作られ寛永通宝の生産が開始されました。
寛永通宝の種類
幕府による寛永通宝の生産が続くと、いろいろな場所で寛永通宝の生産が始まります。
この時できた寛永通宝が不跳永、御蔵銭、太細様などと呼ばれる寛永通宝であったと言われています。
その後にもいろいろな寛永通宝が生産されましたが、大きくデザインが変わったのは1668年の頃です。
最もポピュラーなもので正字背文と呼ばれるものがあります。
表面には寛永通宝の文字、背面に文の文字があしらわれたデザインで広く流通しました。
1674年には背面の文の文字が削除された島屋無背とよばれる寛永通宝が生産されました。
その後1695年には銭貨の品質が低下し、軽量化された寛永通宝が作られていたそうです。
この軽量化を皮切りに寛永通宝のデザインに大きな変化が訪れました。
1736年になると通貨不足が起こり、材料である銅も不足したことから、鉄銭の寛永通宝が出現し始めます。これが日本における最初の鉄銭の出現であるとされています。
このあとしばらくの寛永通宝は、鉄銭による安価な生産か軽量化された銅銭によるものとなります。
その後1768年にはまた大きな転機が訪れます。それは4文銭の出現です。
今までのデザインとは打って変わり、背面のデザインには考案者の家紋があしらわれる事となりました。
その次に大きく寛永通宝が作られたのは1860年、ほとんどの寛永通宝は鉄銭になり質の悪いものでした。
これは鉄銭と銅銭の価値の差を露呈するにいたり、1871年には明治政府によって実情に合わせた時価で新通貨に交換されたそうです。
このように、簡単に説明しただけでも寛永通宝にはかなりの種類が存在することがおわかりいただけたかと思います。そこで、特に有名な寛永通宝についてその価値を説明していきたいと思います。
有名な寛永通宝の買取相場
二水永とよばれる寛永通宝は、永の字が二と水を組み合わせたような書体になっている寛永通宝です。
1626年以降流通しました。
現在の買取価格は約10,000円ほどであると言えるでしょう。
また、耳白銭と呼ばれる寛永通宝は買取価格が50,000円ほどになるレア物です。寶の字の貝の部分が耳と白に見えることから名付けられました。
正字入文と呼ばれる文の字が入のように見える寛永通宝は150,000円ほどで買い取られることもあるようです。
さらにすごいのは退点文で、裏面の文の字のてっぺんが右によっているものだそうです。180,000円ほどで取引されることもあるようです。
また、日光御用銭と呼ばれる寛永通宝はなんと250,000円で取引されています。
寶の字の一部が真っ直ぐに描かれているものです。
島屋文と呼ばれる寛永通宝は通の字のマがユに見える寛永通宝で、300,000円ほど、また、背広佐と呼ばれる寛永通宝は350,000円ほどで取引され、背面に佐文字があるものです。
寛永通宝はどこで買い取ってもらえるの?
古銭買取ショップやインターネットオークションサイトやフリーマーケットサイトなどで買取をしてもらえます。
自分の持っている寛永通宝がどのタイプかわからない場合には一旦査定に出してみることをおすすめします。
インターネット上のオンラインオークションサイトやフリーマーケットサイトなどを利用する利点は手軽であるということと、価値がわかる人同士で取引し合うので価格が高めになるということです。
しかしながら使用するサイトによっては手数料を取られてしまうこともあります。また、出品者が本来の価値を確認しておかなければ相場よりも低い価格で取引されてしまう可能性もあるので、古銭買取業者の無料査定を受けておいたほうが安心です。
いずれにせよ、寛永通宝を見つけたらそれ以上汚れや傷がつかないように厳重に保管しておくのが大切です。
また、その種類がわかるようにいろいろと検索をかけてみるのも良いでしょう。
寛永通宝 まとめ
寛永通宝の歴史やその種類の多さにびっくりしたかもしれません。
しかしながら寛永通宝はそれ故に見つけやすい古銭でもあります。
あなたの身の回りにもあるかもしれないので、ぜひとも探してみてくださいね。