ある一定の時期になると、子どもにはある変化が現れます。
それは第二次性徴というものです。これだけ聞くとピンとこないと思いますが、簡単に言うと思春期のことです。
思春期になると、子どもたちの体には様々な変化が起こります。男の子においては、どのような変化が起こるのか、どんな順番で現れるのかということを見ていきたいと思います。
第二次性徴とはどんなものなの?
難しい言葉で表現されていますが、一般的に言うと思春期のことを表します。男の子はだいたい12歳~14歳ごろから始まるといわれており、子どもから大人へと成長するとともに、心と身体が変わっていく時期を第二次性徴と呼びます。
この第二次性徴の一番の特徴は、生殖能力の働きがうまれることです。
性腺刺激ホルモンといわれるものが分泌され、男の子なら精巣、女の子なら卵巣に働きかけ、性ホルモンを発生させます。
この性ホルモンが、体中に運ばれることによって、男女それぞれの独特な体つきに成長させるのです。
このホルモンは男性ホルモン、女性ホルモンと呼ばれ、男女ともにそのホルモンを体の中に持っているのですが、それぞれのホルモンの役割がことなるため、体つきに違いが生じるのです。
例えば、男性ホルモンの役割としては…
- 体毛を生やさせる
- 皮脂の分泌
- 筋肉質な体つきになる
- 性欲を高める
などが関係しています。また、女性ホルモンの役割は…
- 記憶力を保つ
- 食欲の抑制
- 生理などのコントロール
- 丸みを帯びた体つきになる
などが関係しています。これらのホルモンが活発に生成されるために、この時期はとてもデリケートになります。
ホルモンの動きが一定ではないため、精神的に不安定になり、感情の起伏が激しくなるのもそのためです。また、肌が荒れたり、体毛が生えてきたりと目に見える形で身体に変化がおこるのもこの時期の特徴です。
第二次性徴 男の子に現れる順番とは?
では、具体的にどのような順番で変化が訪れるのでしょうか?男の子の変化を例に見ていきたいと思います。
精巣(睾丸)の増大・陰嚢の変色
- 陰茎(ちんちん)が長くなる
- 陰毛が生える
- 精通の発生(初めて射精すること)
- わき毛・ひげが生える
- 包皮が後退し、黒ずんでくる
- 声変わりをする
- 肩幅が広くなる
- 筋肉の発達
- 顔つきの変化
- 体臭が出てくる
といった感じで変化が訪れます。
個人差があるので変化が現れる時期や順番に差がありますが、これだけみても様々な変化が現れることが分かりますね。今まで経験したことがないことが体に生じているので、子どもにとっては戸惑うことだらけだと思います。そしてその変化は、心にも影響をもたらします。
徐々に変化していく身体に対して、心の成長は同じ早さで進んでいくとは限りません。特に、身長が急に伸びて周りからは大人のように見えたとしても、中身は子どもの心が残っているので、その時の周囲の接し方次第では、子どもの自尊心を傷つけてしまう危険性もあります。
子ども自身も、成長した自分を認めてもらいたいと望む一方で、ほっといて欲しかったり、話しかけられたくなかったりと自分自身どのように振る舞えばいいのか迷走しているのです。ゆえに、第二次性徴のときの男の子は、非常に難しいお年頃だといえます。
第二次性徴を迎えた男の子への接し方は?
第二次性徴を迎えた男の子は、繊細で傷つきやすい反面、自立心も強くなり、反抗的な態度が目立つようにもなります。これといった理由がなくても、常に周囲に対してイライラしたり、口を利かなかったりと親としても手を焼いてしまうと思います。
そんな時は、父親の出番です!同じ道を過ぎてきたものとして、少しは息子の気持ちが分かることがあるのではないでしょうか?
こういう時はどうして欲しいと思っているのか、頭ごなしに怒っても逆効果なだけだなど、自分が昔どんな様子だったかを思い出すと接し方が変わってくると思います。もちろん、全てのことは理解できないでしょう。しかし、自分のことを理解しようとしているという想いだけは伝わるはずです。そして、それが第二次性徴を過ぎた後の親子関係にも影響してくると思います。
また、父親の存在の強みとしては、同性であるということも関係しています。というのも、第二次性徴は言い換えれば性への目覚めともいえるからです。
第二次性徴において大きく変化が起こるのは、身体の発達です。それは、生殖機能の発達とともに、異性への興味という形で表れてきます。いうならば子孫を残す行為、つまり性交が出来るようになったということです。
そんな時に、登場するのが父親です。性交がもたらす利点もあれば、相手に与える危険や責任が生じることを、自分の経験などを交えて真剣に伝える必要があるからです。これは、母親から言うよりも父親からということに大きな意味があります。
自分を一人の人間として認めてくれていて、だからこそ大事なことを教えてくれたのだと自覚させるためです。そのため、性に関する話では父親を主体とした話し合いを持つ方が効果的だといえるでしょう。
まとめ
第二次性徴は、それまでになかった身体と心の変化が訪れます。
いくら順番を経て変わっていくとはいえ、子どもにとっては情緒不安定になりやすいです。
背が伸びて体つきがしっかりし、声も低くなり、いたる所に体毛が生えてきてワクワクする一方で、心の成長はそこまで追い付いていないという矛盾。その矛盾が、反抗的な態度としてしか表現できなくて、子どもは悩み苦しんでいます。
そんな時に、暖かく包み込んでくれる存在が家族です。難しい年ごろを迎え、親としても今まで見たことない子どもの姿に衝撃を受けるかもしれませんが、どうか大人になろうと頑張っているお子さんを温かい目で見守ってあげてください。