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「子どもの鼻づまりはお茶で治る」は本当?!

「お茶で鼻づまりが治る」という話を皆さん一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。

そもそもお茶自体に「体によい」というイメージがあります。

鼻づまりで苦しんでいるお子さんをお持ちの方の中には、抗生物質を長期的に飲ませ続けることに抵抗のある方もいらっしゃるでしょう。

そんな時、お茶で鼻づまりへの効果が実感できたら大変嬉しいことではないでしょうか。

  

子どもの鼻づまりはお茶で治る の噂の真相とは?

インターネット上にも鼻づまりとお茶に関する様々な情報が見られます。

ただし、まず最も大切なことは、鼻づまりの原因を正しく知ることでしょう。

 

鼻づまりの原因として考えられる代表的なものを以下に挙げてみました。

鼻腔粘膜の腫れ

アレルギーや炎症によって腫れが起こっている状態。原因は鼻炎・副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎、点鼻薬の常用による腫れなど。

鼻汁

鼻汁が溜まって空気の通り道が狭くなる。鼻粘膜の腫れを伴うことがほとんどのため悪化しやすい。

原因は鼻炎・副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など。

軟骨や骨によって空気の通り道が狭くなっている

鼻中隔が大きく湾曲していたり、鼻中隔の外側の下鼻甲介が分厚いため空気の通り道が極端に狭くなっている状態。

鼻中隔彎曲症、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎など。

鼻腔にできものがある

副鼻腔の骨の中の粘膜や鼻粘膜が炎症で弱くなり、粘膜が腫れて組織変化を起こしたものを鼻茸という。

副鼻腔から空気の通り道である鼻腔に鼻茸が飛び出すことによって鼻づまりを起こす。鼻茸は薬で完全に消失させることは難しく手術による摘出が必要となる。

鼻腔に異物が入っている

ティッシュや食べ物、おもちゃなどが鼻腔内に残っていて鼻づまりを起こしているもの。

幼児の場合は決して珍しくないため注意が必要。

鼻と喉をつなぐ鼻咽喉に腫れがある

鼻と喉の間にある咽喉扁桃が肥大した「アデノイド」という病気が代表的。

3~6歳頃までに大きくなり、その後は徐々に小さくなっていくといわれている。

 

一般的に、青く濃度の高い鼻汁や、鼻汁が喉にまわって痰や咳が出やすい場合は副鼻腔炎の可能性があるということです。

片方だけ鼻づまりを起こしている場合は鼻中隔彎曲症の場合が多く、片方だけに鼻茸ができている可能性もあります。左右が交互に鼻づまりを起こす場合も鼻中隔彎曲症の可能性があります。

まずは何によって鼻詰まりを起こしているのかを、耳鼻科に行って正しく知ることが必要です。

緑茶=鼻詰まり解消でない。緑茶=体質改善である。

「鼻づまりをお茶で治す」ということは、「体質を改善する」という試みです。

お茶を飲むこと自体は、体にとって大きな弊害はないと思われます。

ただし「体質改善」だけでは対処が難しい原因から鼻づまりを起こしているような場合には症状の改善はあまり見込めないかもしれません。

また一般的にお茶の効能に即効性はあまり期待できません。ある程度長期間に渡って飲用する必要がありますから、病院で診察を受けて原因をきちんと知ってから、お茶を生活習慣として取り入れる場合には長く続ける気持ちを持って始めたほうがよいと思います。

 

お茶によって改善が期待できる症状の一つとして「アレルギー性鼻炎」があります。

アレルギー性鼻炎

ハウスダスト、花粉類、カビ類、動物の毛などの「アレルゲン」が原因となって発症する。体内の免疫システムが「アレルゲン」に過剰反応して体外に排出しようとするとき、それが鼻づまりや鼻水といった症状となって現れてくる。

体質的な疾患であるアレルギー性鼻炎に対して、風邪などがきっかけとなって副鼻腔が細菌感染することが原因となって起こる疾患を副鼻腔炎という。

全く違う疾患だが、アレルギーを持っていると鼻腔粘膜が腫れて空気が通りにくくなるため細菌感染を起こしやすくなる。

そのためアレルギー性鼻炎と副鼻腔炎を合併している例は実際には非常に多いといわれている。

 

アレルギー性鼻炎の場合、耳鼻科で処方されるのは抗ヒスタミン剤、血管収縮剤、ステロイド点鼻薬といったものとなります。

また減感作療法(免疫療法)とよばれる、原因となっている抗原を段階的に増やしながら体に投与していく方法もあり、これは「体質改善」を見込める方法といえます。

ただし週に1~2回の注射を一年程度続ける必要がある、複数の抗原にアレルギーがある場合には施行困難、などといった問題もあります。

 

薬で症状を抑えようとした場合、アレルギー体質である限りはどうしても長期間に渡って薬を服用することになります。

このような場合、もしもアレルギー体質であること自体を少しでも改善することができたら症状が緩和される可能性もあります。

 

お茶の中には「体質改善に効果がある」と期待できるものがあります。特に以下のようなお茶には鼻づまりを緩和する効果があるといわれています。

  • なたまめ茶…全身の血行をよくして鼻づまりを緩和させる。デトックス作用によって体内に入ったアレルギー原因物質を排出する。さらに免疫力を向上させる。
  • てん茶…GODポリフェノールという成分が花粉症の原因であるヒスタミンの生成を抑え、アレルギー症状を緩和させる。
  • 緑茶…茶カテキンがIgE抗体という抗体に働きかけ、花粉症の症状を緩和する。また、トリクチニンというポリフェノールが抗アレルギー作用を持つ。
  • ルイボスティー…SODという成分が免疫力を高めてアレルギーに対する反応を抑制する。
  • べにふうき茶…カテキンの一種であるメチル化カテキンが豊富に含まれており、花粉に反応してアレルギーを引き起こす抗体の働きを抑制する。
  • クマザサ…抗菌力を高め細胞の粘膜を強化するといわれている。

こうしたものを、美味しく・長く飲用できるように開発されたブレンド茶が現在では色々と販売されています。

  

子ども以外でも効果はあるの?

体質改善は大人でも行うことができるでしょう。実際に大人であってもお茶を飲むことによって鼻づまりを治そうという試みをしている方はたくさんいらっしゃると思います。

味も美味しく開発されたブレンド茶は長期の飲用に適しています。インターネット上でもいろいろなブレンド茶が紹介されています。

こういったお茶の公式サイトや飲用レポートや読んでみて全般的に感じたことは、どのお茶の効能にも個人差があるということです。

「効果があった」という方はもちろんどのお茶にも一定数いらっしゃるようです。

ただ正直なところ「お茶によって確実にアレルギー体質が改善した」と分かる根拠はあまり示されていないため、あくまでも個人的な感想として考えたほうがよさそうです。

アレルギーは体質的な疾患です。原因物質やその度合いは本当に様々ですから、効果に関しては個々の体質や生活環境によるところが大きいのではないかと思います。

また味についても様々な印象があるようです。特にお子さんに飲用させる場合にはお子さんの味覚に合っているかどうかが一番の問題です。

こういったこともどうしても個人的な感想となります。

生活習慣の一つとしてお茶を取り入れようとする場合には、初めにいくつかを取り寄せて実際に試飲してみることを繰り返しながら、コストパフォーマンスも含めて最終的にどれを長期飲用していくかを決めていくことになると思います。

  

緑茶で体質改善!親子で取り組んでみましょう

一般的にアレルギー体質は遺伝しやすいといわれています。

両親ともにアレルギー性鼻炎などのアレルギー体質の場合、両親ともにアレルギーを持っていない場合と比較して子どもがアレルギー性鼻炎にかかる危険性は約4倍という報告があるそうです。

もちろん遺伝ではない場合もみられますが、親御さんもアレルギーをお持ちの場合にはお子さんと一緒にお茶を飲んでみるのは大変よい方法です。

親子であっても効き目や好みの違いはあると思いますが、家族みんなで取り組んでいくことで継続的にお茶を飲用していくことにつながるでしょう。

鼻づまりは寝不足や集中力の低下などを引き起こしますので、特にお子さんの場合は少しでも早く症状を緩和してあげたいですね。

ただし体質は先天的なものであるのと同時に、生活習慣や環境などから形成される面もあります。ですから「お茶を飲むだけですぐに改善するものではない」ということはいえると思います。

お茶の飲用と並行して、生活全般を見直していく必要もあるでしょう。

 

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