カセットコンロを使ったことのある人は多いでしょう。
小型で軽く、簡単に使うことができるのに、しっかりとした火力があって、さまざまな料理に役立ってくれるアイテムです。
たくさんのメーカーから発売されており、値段もお手頃。
自宅用とアウトドア用など、複数揃えている人もいるのではないでしょうか。
そんな便利なカセットコンロですが、いざというときに使えない、ということもあり得ます。
たとえば、キャンプの前夜になって、ガスボンベがすべて空になっていることに気づいた、というような事態。
あるいは、直前に買えばいいやと思っていたのに、売り切れていて手に入らなかった、ということもあるかもしれません。
そういう場面はふいに訪れるので、パニックになってしまいますよね。
この記事では、そんなときにカセットコンロの代用品として使えるものを紹介していきます。
カセットコンロは危険ではない
その前にまず、注意しておきたいことがあります。
これはインターネットを検索しているとわかるのですが、世の中にはカセットコンロを危険なものだと思っており、怖いから使いたくない、何か代わりになるものはないか……という意味で、代用品を探している人がいます。
しかし、そういう動機で代用品を求めるのは、オススメできません。
確かに、ガスボンベを使うと聞くと、こう考える人も出てくるでしょう。
「とても危険な道具なので、慎重に扱わなければいけない。ちょっとでも使い方を間違えると、爆発する恐れがある」
もちろん、完璧に安全な商品などありませんから、慎重に扱おうとするのは悪いことではありません。
小さなお子さんが勝手にイタズラをしないよう気をつける、といったことは、カセットコンロにも当然に当てはまるでしょう。
しかし、だからといってカセットコンロを避けて代用品を探そうとする人は、ちょっと心配をしすぎています。
カセットコンロは、商品として売っても大丈夫かどうか、開発する過程でじゅうぶんな検証を行ってから販売されています。
最低限の注意事項さえ守ることができるのであれば、さほど怖いものではありません。
カセットコンロはとても便利なものなので、「爆発」というイメージだけで避けてしまうのはもったいないです。
そのような意図でこの記事にたどり着いた人は、良い機会なので、カセットコンロというものについて、もう一度考え直してみてください。
燃料の代用品
それでは、代用品を紹介していきます。
カセットコンロは、小さなガス缶をセットするタイプがほとんどで、イメージとしては「燃料とコンロ部分がひとまとまりになったもの」です。
これを代用品で何とかする場合、燃料とコンロをべつべつに用意しなければいけません。
なので、この記事では、燃料とコンロ部分で項を分けていくことにします。
ではまず、燃料の代用品から。
炭
キャンプでバーベキューなどをするときには定番である、炭。
この炭はもちろん、燃料としてカセットコンロの代用品になってくれます。
火力もバッチリで、どんな料理にも対応することができるでしょう。
難点としては、火をつけるのにそれなりのテクニックが必要なことが挙げられます。
そして、カセットコンロの簡単さに比べると、どうしても大がかりな作業になってしまうこと。
たとえば、自宅のテーブルで鍋に火をかけたいときに、炭を持ってきて火をつけて……というのは、いかにもちぐはぐな光景です。
そのあたりは仕方のないところでしょう。
固形燃料
燃えやすい物質を加工して固め、扱いやすい道具として販売されている、固形燃料。
いくつかのタイプがありますが、どれも基本的には同じ。燃料としてカセットコンロの代用品に使うことができます。
ただ火をつけるだけで、あとは自然に燃えてくれますので、炭に比べると扱いはとても簡単です。
また、家庭で使う卓上用の固形燃料なども売られていますので、より多くの場面で無理なく威力を発揮してくれます。
値段も高くありませんので、非常用に普段から備蓄しておくのも、よい考えなのではないでしょうか。
アルコール燃料
アルコール燃料は、その名のとおり、燃料として使うためのアルコールです(決して飲んではいけません)。
言うまでもなく、これも燃料としてカセットコンロの代用品になってくれるアイテムです。
容器に注いで火をつけるだけですので、使い方もいたって簡単です。
ただし、ライターを近づけただけで急にボッと火がつきますので、やけどをしないよう注意する必要があります。
また、火のついた状態で容器を倒してしまわないようにすることも重要ですね。
場合によっては、そばにあるものに燃え移ってしまうかもしれません。
コンロ部分の代用品
続いて、コンロ部分の代用品です。
熱くなった鍋などを置くことが目的ですから、大事なのはある程度の丈夫さと、耐熱性ということになります。
七輪
日本で古くから使われている調理用の炉である、七輪。
いわば和製コンロのようなものですから、カセットコンロのコンロ部分の代用品として、じゅうぶんに活躍してくれます。
値段はピンキリで、高価なものもいろいろ売られていますが、こだわりのない人が使うぶんには、ホームセンターなどで買うことのできる安いものでOKでしょう。
使い方も簡単ですので、前項で紹介した代用品と組み合わせるのも、さほど大変な作業ではありません。
難点があるとすれば、七輪はそこそこの高さがあるので、家庭のテーブルの上で使おうとすると、ちょっと扱いにくい状態になることでしょうか。
バーベキューコンロ
外で調理をすると聞いたとき、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、バーベキューコンロの見た目でしょう。
コンロと名がついていることからもわかるとおり、カセットコンロがないときにはこれを持ち出してくるという選択肢もあります。
といっても、足の長いバーベキューコンロを家庭で使うのは、ちょっと難しいかもしれません。
テーブルで鍋を囲みたいときに役に立つのは、足の短いポータブルタイプです。ちょうど鍋を一つ上に置ける程度のものだと、テーブルの大きさも気にしなくて済みますね。
小さいほど値段も安くなるので、そういうものを普段から一つ備えておくと、いざというときに役に立つこともあるでしょう。
まとめ
以上、カセットコンロの代用品について紹介しました。
お読みになって感じた人も多いでしょうが、この記事で紹介した代用品は、カセットコンロに比べると、どれも「大げさ」です。
カセットコンロを使えば、特に何をしている感覚もなく楽にできてしまうことが、ちょっとした作業になってしまいます。
これは仕方のないことです。それだけカセットコンロというものが、画期的で優秀な道具なのだというしかありません。
普段は必需品ではありませんが、災害が起きたときなどには、カセットコンロが命綱のように思えることもあるかもしれません。
そんなときに慌てて買おうとしても、恐らくあっという間に売り切れてしまって、手に入れることは難しいでしょう。
そのような場合には、この記事で紹介した代用品を試してみてください。
やや面倒ですが、きちんと使えば、温かい料理を楽しむことはできるはずです。