冬のアウトドアレジャーを代表するものの一つである、スキー。
スキー場に行けば、初心者から上級者まで楽しめるようになっており、家族で出かけるもよし、友人や恋人と出かけるもよし、一人で出かけるもよし……人それぞれのスタイルで、充実した時間を過ごせることでしょう。
そんなスキーにおいて必要になるのが、着るもの――スキーウェアです。
冬の雪山へ行くわけですから、寒さ対策をしっかりしておかなければいけないのは当たり前。
それに加えて、溶けた雪で濡れてしまうことなども考える必要があり、日常生活でしているような姿で出かけるのがNGであることは、言うまでもないでしょう。
しかし、スキーウェアは高額なのが玉に瑕。
ちょっとでも良いものを買おうと思ったら、簡単に1万円、2万円という値段になってしまいます。
ワンシーズンに何回も滑りに行くような人ならともかく、何年かに一回といったペースで少しだけスキーを楽しみたい人は、ためらってしまいますよね。
レンタルもありますが、それも結構高く、「自分のものにならないのにそんなお金を払うのは……」と思ってしまう人も多いことでしょう。
この記事ではそんな人のために、スキーウェアの代用品として使うことのできるものを3つ、ご紹介していきます。
スキーウェアに求められるもの
まず、スキーウェアに求められる機能について、簡単に解説しておきます。
防水性
スキーで滑っていると、必ず雪が体に付いて濡れてしまうことになります。
これは避けられないことですが、それによって体の熱が奪われるため、雪山ではとても深刻な問題となります。
そのため、スキーウェアは防水性をきちんと備えていることが大切になります。
透湿性
上記の防水性を持たせるため、スキーウェアには防水加工が施されるわけですが、もしこれによって水も空気も通さないとなると、べつの問題が生まれます。
人間は動けば汗をかく生き物ですから、空気を通さないと、ウェアの中が蒸れてきてしまうのです。
これを避けるため、スキーウェアには空気を通す機能、透湿性が求められるのです。
とはいえ、通常のスキーはそれほど激しい運動ではないため、防水性ほど厳しく考えなければいけないものではありません。
撥水性
撥水性とは、水を弾く機能のことです。
この機能がきちんと備わっているスキーウェアであれば、多少の水分なら表面で食い止めることができます。
ただし、あくまでも簡易的なものとなるため、高い水圧がかかったような場合にまで、水が染み込むのを防げるわけではありません。
保温性
ウェアの内部を温かく保つ機能のことです。
冬の雪山で体温をしっかり保つためには、必要なものですね。
保温性が備わっていないと、汗をかいたときにその汗がすぐ冷えてしまい、運動しているにもかかわらず凍えてしまうことになります。
防風性
文字通り、風から身を守るために必要な機能です。
雪山の風は大変冷たいものですので、この風がウェアを素通りしてしまうと、あっという間に体が冷えてしまうことになります。
それを避けるためにも、体を風に触れさせないようにすることはスキーウェアの重要な仕事となります。
スキーウェアの代用品を使うときの注意点
以下でご紹介する代用品を使うときには、それがスキーウェアの機能をすべて備えているとは限らないのだということに注意してください。
あくまでも代用品ですので、どこかしらにスキーウェアとは異なるところがあります。
特に寒さを防ぐための工夫は大切ですので、中にインナーや中間着をしっかり着込んでおくことを、絶対に忘れないようにしてください。
スキーウェアの代用品:スノボウェア
スノボ(スノーボード)も、スキーと並んで冬の雪山の代表的なアウドドアレジャーの一つです。
このスノボをするときに着る、いわゆるスノボウェアは、スキーウェアの代用品として使うことができます。
「スキーウェアとスノボウェアって何が違うの?」
と思った人もいるかと思われますので、違いを簡単に解説しましょう。
まず、全体的にスキーウェアのほうがスリムで、伸縮性の高い作りになっていることが多いです。
これは、スキーの動きに合わせたものです。姿勢を絶え間なく変えることができ、いつでもきちんと腕が上がるようにするために、そのようになっているわけですね。
それから、スキーウェアにはエッジガードというものが付いており、スキーのエッジで裾がほつれないように工夫されています。
スノボウェアにはこれが無いため、裾のダメージに注意する必要があります。
スノボウェアのほうに高い性能がある例としては、まず耐水性が挙げられます。
スノボでは、雪に直接座ることが多いので、その対策としてスキーウェアよりも耐水性を重要視しているのです。
それから、スノボは転倒しやすいので、ジャケットの裾のパウダーガードがしっかりしています。
転んでも雪がウェアの中に入りにくいようになっているのです。
スキーウェアとスノボウェアには、だいたいこのような違いがあります。
代用品として使うときに、これらをどのくらい意識しておくべきかは、あなたがどのようにスキーを楽しみたいかによって変わってきます。
基本的に、初心者が軽く楽しむ程度であれば、あまり深く考えずにスノボウェアを使ってしまっても構わないでしょう。
一方、上級者の場合は、スノボウェアでは動きが取りにくいといったことがあるかもしれません。
スキーウェアの代用品:ユニクロのウルトラライトダウン
ユニクロで売られている、ウルトラライトダウン。近年、巷で大人気となっている商品です。
このダウンを、スキーウェアの代用品として使うことができます。
代用品としての魅力は、何と言ってもスキーウェアと比べて価格が安いことが挙げられます。
5,990円(税別)という価格は、もちろんユニクロの服としては決して安いものではありませんが、スキーウェアを買うことを考えれば破格であると言えるでしょう。
特に、初めてスキーをするという人は、他にもいろいろと揃えなければならないものがありますから、ここで節約ができるのは嬉しいことですよね。
しかし、本当に代用品として効果があるのかどうかが心配な人もいるかもしれません。
というのも、このウルトラダウンジャケットは、あくまでも街中で着るために作られているものであって、雪山という環境は想定されていないからです。
この点についての結論は、「よほど厳しい環境でスキーをするのでなければ大丈夫」というものです。
この商品は低価格ながらもとてもきちんと作られており、上に挙げたスキーウェアに求められる機能を、かなりの割合で押さえているからです。
それでも不安だという場合は、インナーなどをよりしっかりと着込んだ上で、ダウンに防水・撥水スプレーを振っておくとよいでしょう。
スキーウェアの代用品:冬用の登山ウェア
冬の山はスキーだけではなく、登山の対象にもなります。
そのときに着る、登山用のウェアは、スキーウェアの代用品として使うことができます。
登山とスキーでは、レジャーとしてはだいぶ違いますが、ウェアには共通する点が多いです。
どちらも防水性や透湿性、撥水性などが求められ、動きやすさも大事なポイントになりますので、必然的に似てくるわけですね。
違う点としては、登山のほうがよりたくさん汗をかくので、透湿性がもっとも重視されている、というあたりが挙げられます。
そういったところは、インナーの選び方などで調節する必要があるかもしれません。
まとめ
以上、スキーウェアの代用品として使えるものを3つ、ご紹介しました。
実際問題としては、上級者がスキーウェアを用意できない、ということはほとんど無いと思います。
代用品で済ませたいという事情があるのは、ほとんどが初心者でしょう。
そうなると、雪山といってもそれほど深いところには行きませんし、動きもあまり激しくなりませんので、この記事で紹介したものを使っておけば、まず問題は無いのではないかと思われます。
しかし油断は禁物ですので、くれぐれも雪山を舐めてかからないようにしてください。その上で、代用品を使って存分にスキーを楽しみましょう。