手洗いと並んで、病気を予防するために大切なのが、うがい。
この二つをしっかりやっておくことで、病気にかかる可能性を大幅に減らすことができると言われています。
実はこのうがいは、日本独自の文化で、他の国では見られないものです。衛生観念の発達している日本だからこそのものなのですね。
日頃の習慣として、しっかり身につけておきたいものです。
そんなうがいには、専用のうがい薬があります。
薬局やホームセンターなどで売られており、これを使うことで、うがいによる殺菌の効果をより高めることができるわけです。
病気予防に気を遣っている人にとっては、なくてはならないアイテムでしょう。
しかし、消耗品なので、まれに切らしてしまうこともあるかと思います。
この記事では、そんなときに、うがい薬の代用品として使うことのできるものを紹介していきます。
また、うがい薬の知識や、うがいのコツなども解説しておりますので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
うがい薬の基礎知識
まずは、うがい薬とはどんなものか、基本的なところを簡単に解説していきたいと思います。
薬局で処方されるうがい薬には、大きくわけて二つのタイプがあります。
イソジンガーグル液
イソジン、という略称を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。
イソジンガーグル液の主成分は、ポピドンヨードと呼ばれるものです。
この成分には殺菌・消毒の作用があり、うがい薬としてだけでなく、手洗いするときの殺菌や、体にできた傷を消毒する薬にも使われています。
殺菌力が高く、安全なので、使われ方も幅広いわけですね。
さまざまな細菌に対して効果があるだけでなく、ウイルスの働きを失わせる効果もあり、予防医療の世界で大活躍しています。
アズノールうがい液
もう一つのタイプが、アズノールうがい液です。
こちらの主成分は、アズレンスルホン酸ナトリウム、というものです。
こちらの効果は上記のポピドンヨードとは少し違い、炎症を鎮め、腫れや痛みを和らげることがメインになっています。
うがい薬の他にも、軟膏の塗り薬などにも含まれていることが多く、傷の治りを良くする効果が期待できます。
副作用の心配はほとんどないと言われており、こちらも安心して使うことができます。
うがいをするときのコツ
うがいとは、口の中のさまざまな汚れを水の勢いで浮き上がらせ、薄めて吐き出すためにするものです。
うがいをする人の中には、一度に頑張って多くの水を含み、ガラガラと豪快に行うことにこだわっている人もいますが、一度に含む水の量にはあまり意味はありません。
それよりも、水の量は少しで構わないので、そのぶん何回もうがいをしたほうが、効果は大きなものになります。
たとえば災害時などには、水が貴重になることもあるでしょう。
そういうときにうがいをしたくなったら、水を何回かにわけて口に含み、複数回のうがいをしたほうが効果的ということになります。
また、中には喉に水を溜めるのが苦手だという人がいます。
こういう人は、うがいをするとなると無理してしまいがちですが、それはかえって危険なので、やめておいたほうがよいでしょう。
うがいはもちろん効果のある病気予防の方法ですが、苦手な人が無理をして、水が気管支に入ってしまうなどのことが起きては、元も子もありません。
そういう人は、いわゆる「ぶくぶくうがい」で口をゆすぐだけでもしておくようにしましょう。
これだけでも、何もしないよりははるかに予防効果が期待できます。
代用品いろいろ
それでは、うがい薬の代用品として使えるものを紹介していきましょう。
液体ハミガキ
歯を磨くときに使うものとして代表的なのは、チューブに入った練りハミガキですが、世の中にはその液体タイプもたくさん売られています。
練りハミガキと同じく、口に含んでから歯ブラシでブラッシングするというのが、本来の使い方です。
この液体ハミガキを水で薄めることで、うがい薬の代用品として使うことができます。
注意点としては、水によく溶かすことが挙げられるでしょう。
液体ハミガキは、そのままではうがいできるほど薄いものではありませんので、自分で薄めて使う必要があります。
ある程度、手間をかけてもよいという人であれば、お湯を使うとよいかもしれませんね。
洗口液
洗口液とは、歯を磨いたあとの仕上げに使う液体のことです。
適量を口に含んですすぐことで、歯ブラシではうまく届かない歯の隙間などに残った細菌を殺菌し、歯垢や口臭を予防する、というのがその役割です。
殺菌作用があるため、この洗口液もうがい薬の代用品として使うことができます。
洗口液をうがい薬として使う場合には、そのまま使っても問題はありませんが、ある程度薄めたほうが扱いやすいかもしれません。
また、念のために、仕上げとして普通の水でうがいをしておくと、喉の奥に洗口液が残らないので安心できるのではないでしょうか。
重曹水
重曹を水に溶かすと、弱アルカリ性の水溶液である「重曹水」ができます。
この重曹水は、洗口液として使用することができると言われています。
上記で、洗口液をうがい薬として代用できることを紹介しましたので、すなわち重曹水もうがい薬の代用品として使うことができます。
洗口液の代用品として使うときの薄め方が、だいたい水100mLに対して重曹2gと言われていますので、うがい薬の代用品として使うときにもこれを参考にするのがよいでしょう。
人体に害はなく、むしろ健康のために飲むことをすすめる意見もあるくらいなので、間違えて飲み込んでしまっても問題はありません。
緑茶・紅茶
普段から好んで飲んでいる人も多いであろう、緑茶や紅茶。
飲み物でうがいをする、というと変な感覚を覚える人もいるかもしれませんが、これらもうがい薬の代用品として効果を発揮します。
まず緑茶ですが、研究によれば、中に含まれている有名な成分であるカテキンに、ウイルス粒子を集めて固める作用があり、それにより感染から身を守る効果があると言われています。
発病してしまったあとでは効果がないのですが、予防としてはオススメできるのだとか。
そして紅茶ですが、こちらに含まれているテアフラビンも、緑茶でいうカテキンと同じような効果があるとのことで、したがってうがい薬として使うことには意味があるとされているのです。
塩水
塩水というのは、その名の通り、水に塩を溶かしたものです。
理科の実験で作ったことがある以外、あまり縁のない人もいるかもしれませんが、実はこの塩水が、うがい薬の代用品として効果を発揮してくれます。
塩水が頼もしいのは、予防だけではなく、風邪などを発症したあとでも効果が期待できることです。
塩には抗菌作用と脱水作用があり、炎症を起こしている喉に対しては、後者の脱水作用により、ウイルスを炎症している部分から取り除くことができるのです。
塩水の具体的な濃度には、特にこだわる必要はありませんが、濃ければ濃いほどよいというわけではありませんので、口に含んでもつらくない程度には薄めたほうがよいでしょう。
何と言っても塩ですから、あまり濃いとしょっぱいですからね。
ただの水でも効果はある
うがい薬を使い慣れている人からすると、ただの水でうがいをしてもたいして効果がないように感じられるかもしれません。
確かに、うがい薬にはちゃんとした意味があり、だからこそ売られているわけなのですが、しかし水しかない場合でも、うがいをすることにはもちろん効果があります。
うがい薬がなく、この記事で紹介している代用品もない、という場合でも、せめて水でうがいをするという姿勢は、病気の予防には大切です。
うがいそのものに効果があるのだということを、忘れないようにしてください。
まとめ
以上、うがい薬の代用品を紹介するとともに、うがい全般の情報について紹介いたしました。
病気において、「予防する」という考えはとても大切です。
病気になってから治療をするのは、つらさの意味でも、費用の意味でも大変です。
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、日本全体の医療費を低く抑え、国民の負担を減らすためにも、一人ひとりが予防を意識して暮らすことには、とても大きな意味があります。
そのための入り口となるのが、手洗いとうがい。
この記事で紹介・解説したことをぜひ覚えておいて、日頃からしっかりとした病気予防をするようにしましょう。