「添加物」と聞くとあまり良くないイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
意識して「無添加」を選んでいるという方も多いかもしれませんね。
でも・・私たちの周りには「添加物」の入ったものがいっぱい!!人間が食べている食べ物にも添加物はたくさん使われています。
ドッグフードもその例外ではありません。
良いイメージがないにも関わらず、多くの商品に入っている「添加物」とはいったいなんなのでしょう?
添加物とは?ドッグフードへの使用のルールを確認
添加物とは製造過程や加工・保存の目的で使用される「保存料」「着色料」「香料」などのことです。
ドッグフードに使用している場合は、『ペットフードの表示に関する公正競争規約』により下記のように決められています。
”ペットフードの表示のための添加物便覧”(ペットフード工業会)を参考に、使用した添加物の個別の名称を記載する。
このうち、甘味料・着色料・保存料・増粘安定剤・酸化防止剤・発色剤として使用される添加物は、添加物名と用途名を記載すること。
と決められています。
そのため、これらのものが入っている場合はパッケージを見れば分かります。
注意ポイント
但し、原材料(チーズパウダーなど)にさらに含まれる添加物までは記載が義務化されていません。
ドッグフードに添加物が入っているワケ
ドッグフードに添加物が入れられている目的は大きく分けて3つあります。
- 栄養バランスを整える。栄養添加物。(ビタミン・ミネラル・アミノ酸など)
- 品質保持のため
- 見ためや食欲増進のため
「見ためや食欲増進のため」に入れられるのは「増粘安定剤、湿潤調整剤、着色料、香料」などです。
保存料(防カビ剤)や、着色料、香料は人間の食品にもよく含まれていますね。
酸化防止剤は含まれている油脂が空気に触れて酸化するのを防ぐのが役目です。
増粘安定剤は、「糊料(こりょう)」とも呼ばれその名の通り、粘りやとろみをつけたり、接着させて型崩れを防いだり、ゲル化させるために使われます。
そして湿潤調整剤は、半湿潤(セミモイスト)フードの保湿などの目的で使用されます。
その他にも、甘味料・発色剤・酸味料・凝固剤・乳化剤・ph調整剤etc...
また、一言で「酸化防止剤」や「防腐剤」といっても、酸化防止剤なら、没食子酸プロピル、BHA、エリソルビン酸ナトリウム、エトキシキン等々使われる添加物には数多くの種類があります。
ドッグフードによく使われる添加物
人間の食べ物でも添加物が少ないほうが良い。と言われています。
これはドッグフードの場合も同じです。
ドッグフードに含まれる添加物のうち、特によく知られている有名な添加物を確認しておきましょう。
亜硝酸塩
私たちが食べる「ハム・ソーセージ」などにも発行調整剤・発色剤として使われています。(入っていないものは「無塩せき」と表示されています。見るとひと目で違いが分かると思います。)
この亜硝酸塩ですが、腸内細菌がアミノ酸から作る「アミン」と反応すると、発がん性の高いニトロソ化合物が生まれることから、危険性が高いのではないかといわれています。
ドッグフードでは発色剤や保存料として使用されています。
併用された時に複合的な毒性が強まるのではないかと危惧されています。
タール色素
タール色素は着色料です。
(赤・青)黄色○号など見たことありますよね。これは石油製品から化学合成されています。
日本では使用可能でも北欧では禁止されているものが多数あります。赤色2号はアメリカでも禁止されています。
安息香酸ナトリウム
古くから保存料として使われています。
ビタミンCと反応すると「ベンゼン」に変化します。
そしてベンゼンには発がん性があり、白血病のリスクが増加することも認められています。
人間はNG、ドッグフードはOKな添加物
実はドッグフードには「人間の食べ物には使ってはいけない添加物」が使われていることもあります。
エトキシキン
エトキシキンは抗酸化作用が強く、安価な酸化防止剤として世界中で使用されています。
染色体切断誘発性の陽性結果などもあり、発がん性が指摘されていますが、日本でも「食品添加物」ではなく「飼料添加物」と指定されドッグフードへの添加も認められています。
グリシリジン・アンモニエート
エトキシキン同様に「動物用」の添加物です。
漢方薬の原料としても知られる甘草由来の甘味料ですが、安全性が確認されておらず人間の食品への使用は禁止されているので「動物用」というわけです。
ドッグフードの添加物をどう考える?
ドッグフードに含まれる添加物について確認をしました。
添加物は危険と考えられる面もありますが、入っているのには理由があります。
例えば、防腐剤無添加のドッグフードは、どうしても傷みやすく日もちしません。
防腐剤などを入れておけば、もし大雑把な飼い主さんがいても、有毒なカビや雑菌が繁殖したものを食べさせてしまう危険は減りますよね。
長期保存できれば、安い時に買いだめもできますし、お買い物が不自由な方にも便利ですよね。
そして、色をあまり認識できないと言われている犬のごはんなのに、着色料や発色剤を使ってわざわざ美味しそうに見せるのは、飼い主さんへのアピールです。
やっぱり見ためで美味しそうなものってついつい選んでしまいますよね。
とは言え、ドッグフードは飼い主さんではなく愛犬が食べるものです。
できるだけ、ヒトにとって都合のいいものを選ぶより、愛犬の体にとって都合の良いものを選んであげてくださいね。