おやつといえば「美味しい」「楽しい」というイメージがありますよね。
大人になってからも、ついついおやつに手が伸びてしまうという方も多いと思います。
そんな身近な「おやつ」ですが、私たちにとってのはおやつと、犬にとってのおやつ。少し違いがある事をご存知ですか?
犬におやつは必要?2回の食事でエネルギー不足は心配不要!
人間の食事をまず考えると、江戸時代中頃までは、朝・夜2食が一般的でした。
この食事と食事の間の「八つ時(やつどき)」(14時~16時)に食べられていた軽食がおやつです。
現在では、人間の食事と食事の間隔は4~5時間程度が理想的と言われています。
でも、朝・昼・夜と3回の食事で1日に必要なエネルギー量を摂取するのが一般的ですよね。
朝食を7時頃、昼食を12時頃に摂る方は多いと思いますが、夕食を16時~17時に摂るという方は少ないでしょう。
夕食を18時に摂っても、昼食から夕食までの間隔は6時間。大抵の方はもっと時間が開いているのではないでしょうか。
子供は特に体の成長にエネルギーが必要ですし活発に動き回るため、大人よりさらに低血糖や栄養不足に陥りやすく、昼事食と夕食の間のエネルギー補給のために「3時のおやつ」が推奨されているのです。
子犬やシニア犬などの場合は1日3回以上食事を与えることもありますが、通常成犬の食事の回数は1日2回です。
成犬になると例え1日1回の食事にしたとしても、1日分のエネルギー量をしっかり摂取できるだけの消化器官を持つため、1日1~2回の食事で良いと言われているのです。
例えば、30代女性の摂取カロリーの目安は1,700Kcalですが、カロリーが高い「カツ丼」を食べるとしても2杯以上もの量となり、この量を一度の食事で摂ることは困難です。
しかし成犬は、1日に必要なエネルギー量を一度の食事で摂ることができるため、人とは違い適切な量の食事さえ摂っていれば1日程度食事の間が空いてもエネルギー不足に陥ることはありません。
つまり、エネルギー不足を心配して3時におやつを与える必要はないということです。
犬のおやつは「ご褒美」がおすすめ
ではおやつは不要ということでしょうか?
おやつのメリット
- 芸ができた時やお利口にできた時などに与えることでしつけや調教が進む
- 歯に良いガムなどであればデンタルケアができたり、不足している栄養を補える
- 一緒に楽しくコミュニケーションをとることができる
おやつのデメリット
- カロリーオーバーになりやすい
- 塩分過多や偏った栄養素の過剰摂取など、栄養バランスが崩れやすい
- 味を占めてしまい主食であるフードを食べなくなる
犬のおやつも人間のおやつと同じように普段のご飯より魅力的に作られています。
でも、おやつはご飯の代わりにはなりません。
人間の子供がいくらをおやつを欲しがっても、毎日ご飯が食べられなくなるほどおやつを与える人はいないと思います。
何の考えもなしに愛犬が喜ぶからとおやつを与えていれば、デメリットの方が多いかもしれませんね。
ですがメリットも考えると「おやつはいらないもの」と決めつけてしまうのも、もったいない気がします。
おやつは愛犬に正しいこと、良いことということを伝えるツールになる
では少し見方を変えてみましょう。
なぜ、おやつを与えるとしつけや調教が進むのでしょう?
それは、正しいことや良いことをした時におやつを与えることによって、それが正しい良いことだと犬に伝えることができるからです。
つまりメリットを最大限に活かすためには、おやつは「ごほうび」である必要があるのです。
それに犬もおやつからではなく、普段のご飯からしっかり栄養を取る必要があります。
そうなると自然と、おやつをあげるタイミングや量も見えてきますよね。
おやつをあげるタイミングや量は?
タイミングはもうお分かりですよね。正しいことや良いことをした時です。
「頑張ったね」「よくできたね」という時にあげればいいということですよね。
犬は飼い主が大好きですよね。お留守番をしていた時は、飼い主が帰っただけ尻尾を振りすぎてちぎれるんじゃないかと心配になるくらいです。
この場合は、おやつよりも飼い主さんがごほうびですよね。犬にとってこれ以上のごほうびはありません。
次に量ですが、栄養はご飯からきちんと取らなくてはいけませんので目安は10~20%以下と言われています。(以下ですので、無理矢理毎日あげる必要はありません。)
犬のご飯の食べ方を見てみると、人のように口に入れてしばらくモグモグなんてことはありません。一度に口に入れる量に関係なくほとんど噛まずに飲み込んでしまいます。
大きくても小さくてもひと飲みにしてしまうため、おやつは大きさにこだわる必要はなく小さいもので十分なのです。
犬は頑張ったのにおやつがもらえなくて拗ねることはあっても、おやつが小さいからといって拗ねたりはしません。
おやつが食べられるのが嬉しいのではなく、大好きな飼い主さんから「ごほうび」が貰えるのが嬉しいからです。
そう考えていくと、デメリットを心配しなくてはいけないほどの量は必要はなさそうですよね。
まとめ
愛犬を一番喜ばせられるのはおやつではなく飼い主さん自身です。
おやつは有用なものではありますが、必要なものではありません。
おやつに頼らなくてもしっかり愛犬と向き合える信頼できるパートナーになってくださいね。