京都の夏の風物詩として、祇園祭と並ぶのが、五山の送り火。
テレビで中継されるほど、国民全体が周知している京都の一大イベントです。
京都周辺に住んでいらっしゃらない方は、山に大の文字が浮かぶことくらいしか知らないかもしれません。
そこで!今回は京都の五山の送り火について調べてみました。
五山の送り火とは?
五山の送り火とは「ござんのおくりび」と読みます。
京都で行われる宗教的行事です。
五山の名の通り、5つの山で行われる送り火です。
(ちのみに!送り火とは、お盆にお家に帰ってきていたご先祖様が、浄土へ帰られる際に道を照らすための光になる火のことです。)
五山の送り火は
- 「大文字」(大文字山)
- 「松ヶ崎妙法」(西山及び東山)
- 「舟形万灯籠」(船山)
- 「左大文字」(左大文字山)
- 「鳥居形松明」(曼陀羅山)
の五ヶ所で行われます。
なお、それぞれの山への点火時間も決められています。
その昔は、五山だけでなく、さまざまな山で送り火が行われていたとも言われています。
はっきりとした起源は分かっておらず、誰がいつ始めたものなのか、分からないことも多い行事です。
五山の送り火を子どもに分かりやすく教えよう!
五山の送り火は、テレビ中継も行われていて、京都府民や現地の観光客以外の方も目にするチャンスがあります。
そのため!京都周辺に住んでいなくても、テレビをたまたま見た子供に「これなぁーに?」と聞かれる可能性もあります。
そんなときに、子供にきちんと説明できるように事前準備をしておきましょう。
想定される会話を元に、例文をつくってみました。
子「(テレビを見て)ねぇー!この山、何かの形に燃えてるよ?」
親「これはね、わざとこの形になるように燃やしているんだよ。」
子「どうして?」
親「お盆の時には、ご先祖様があの世から帰ってくるんだ。そのご先祖様がまたあの世に帰るときに、まっすぐ帰れるように、お家の前で火を燃やして代わりにするんだけど、この文字はその大きい版だよ。京都の大きな行事にもなってるんだ。」
子「ふーん。じゃー誰が大っていう時で火を燃やし始めたの?」
親「昔々のこと過ぎて、これが正解!というのが分からないんだって。でも、これが正解かもっていう説は3つあるんだよ!」
子「教えて!」
親「一つ目は、平安時代という昔々の時に、空海っていう人が始めたと言われる説。
昔山の麓にあったお寺が火事になってしまったときに、ある仏様が光を放って、それを見た空海さんがそれを火で表したんじゃないかっていうお話があるんだ。」
子「2つ目は?」
親「2つ目は、室町時代に足利義政という人が戦いで子供の義尚という人を失ってしまって、その人のために始めたという説だよ。」
子「3つ目は?」
親「3つ目は江戸時代に近衛信尹という人が始めたという説で、これだけ昔の本に『この人が大の字を書いた』ということが書いてあるから、これが一番正解に近いんじゃないかって言われてるらしいんだ。」
子「でも、どうして正解が分からないの?」
親「それはね、この送り火が普通の人の中でだんだん皆に広まったもので、国が決めた行事から始まったわけじゃないからなんだ。」
子「そうなんだー。一回見てみたいよ!京都連れてって!」
親「いつかみんなで行こう!」
どうでしょうか?
五山の送り火の起源は、はっきりとしたものが残っておらず、その始まりは江戸時代とも室町時代とも言われています。
いくつかの有力な説はあるものの、宗教的な要素が強いので、子供が小さすぎるとなかなか理解が難しい所も。
(3つ説があることは、子供の年齢によっては省いた方が良いかもしれません。)
よく「大文字焼き」という方がいらっしゃいますが、京都府民にとって、この五山の送り火は宗教的な厳粛な行事です。
「焼き」というと山焼きを連想してしまうので、大文字焼きと呼ぶのはNG。
実際京都に見に行かれる方は、要注意です。
五山の送り火は起源不明の仏教行事だった
いかがでしたでしょうか?
京都周辺に住んでいる、あるいは五山の送り火を見たことがない方にとっては、知らないことも多かったのではないでしょうか?
私自身、五山の送り火を大文字焼きと呼んでしまっていたので、京都府民のバレる前で良かったと思っています。笑
それぞれの送り火は、5分おきに点火されるので、全てを間近で見ることは不可能です。
遠くから全てを見るか、一つに絞って間近で見るかの二択だそうです。
テレビ中継もあるほどの行事のため、日本全国から観光客が訪れるイベントです。
夏の京都の暑さは尋常じゃないので、もし今年見に行こうと決意している方がいたら、送り火そのものは夜からですが、熱中症にお気をつけください。
はっきりとした起源が分かっていない五山の送り火ですが、今や京都府民ならず国民的な行事の一つとなっています。夏休みを利用して、実際に子供達と見てみるのも良いですね。