子どもの習い事ランキングとして、ピアノ・水泳・英語・習字といったものとともに「サッカー」は上位に入っています。
幼稚園くらいのお子さんから入ることのできるスクールもあり、昨今のサッカー熱も手伝って現在では男の子のみならず女の子にとっても人気の習い事の一つといえるでしょう。
習い事を選ぶ基準やポイントはあるの?
習い事を選ぶ基準やポイントは何でしょうか。インターネット上では、
本人がやりたい
兄弟が通っている
お友達と一緒に通いたい
- 料金が手頃
- 近くにスクールがある
- 情操教育の一環として
- 体を鍛えたい
- 特技のひとつとして何かを身につけさせたい
- 礼儀やマナーを学ばせたい
- 学校以外の広い交友関係を持たせたい
といった声が上がっています。
習い事については各ご家庭によって様々な考え方があります。
お子さんの性格ややりたいことなどを一番近くで見て知っているのはおうちの方ですので、その適性に合わせて習い事を考えていくことになるでしょう。
場合によっては本人ではなくおうちの方が「こうしたことをやらせたい」「こんなことを身につけてほしい」と思って始めることもあると思いますが、お子さんが特に嫌がるようなことがなければそれでも構わないと思います。
小さい頃ははっきりとやりたいことがわからないお子さんも多いと思いますので、おうちの方が色々なことを経験させてあげるのは大切なことかもしれません。
習い事を選ぶポイント
ポイントとしては以下のような点が挙げられるでしょう。
- どんな習い事に関してもまずチェックしたいのは「場所」です。
基本的に自宅から近いほうが長く続けやすいということはいえます。
お子さんが通うにあたって教室の場所が安全か、送迎が必要な場合には送迎しやすいかどうかは重要なポイントです。 - 「出費」についてもあらかじめチェックしておきましょう。
習い事は、いわゆる「月謝」以外にも自己負担があることが多々あります。発表会や試合、検定といったものがある場合にはそうした際にどのくらいの出費があるのかを把握しておくことが必要です。 - 「相性」の面も大切です。
その習い事自体との相性という点もありますが、教室の運営者や先生、コーチ、教室の雰囲気といった「教える側」との相性という点も非常に重要です。特に小さいお子さんの場合、初めて教える人によってその習い事に対してその後に抱くイメージがある程度決まってしまうといっても過言ではありません。短い時間ではなかなか判断しづらい点ではありますが、「おためし入会」といったシステムを利用してこの点についても考えていきましょう。
サッカーを習うには
では「サッカーを習う」ということについて、具体的に考えていきたいと思います。
現在、サッカーを習う団体としては大きく「スポーツ少年団」と「クラブチーム」に分けられます。この二つにはそれぞれ下記のような特徴があります。
スポーツ少年団
「スポーツ少年団」…主に学校単位を中心に活動する、地域のサッカーチームです。
監督やコーチは基本的にボランティアです。お父さんなどの保護者である場合が大半で、サッカー経験者ではないこともあります。
活動日は土日祝日といった学校がお休みの日が基本です。学校のグラウンドを利用して活動している場合、グラウンド利用は学校行事優先となります。
月謝は2,000円~3,000円程度でクラブチームよりは圧倒的に安価といえるでしょう。
ただし、練習時のお茶出しや試合時の帯同などは保護者の間で当番制となることがほとんどです。
遠方の場合は車出しもコーチや保護者が行います。合宿を行うかどうかといったことは各団体によりますが、行う場合の準備や引率なども保護者が中心となります。
基本的に同じ地域のお子さんとともに活動することが前提ですので、近隣の友達作りに適しています。保護者の出番も多いので保護者間の親睦にも繋がります。
クラブチーム
「クラブチーム」…運営母体が営利目的として活動しているものです。指導者のレベルは総じて高く、しっかりとした技術を身につけたい人に適しています。
小学生の間だけではなく続けたい場合はその後の年代に応じたチームが用意されていることもありますので、入団テストなどを受けていく意思があれば長く続けていくことも可能でしょう。
整備された専用コートを持つ場合が多いため活動が学校行事などに左右されることはない半面、活動は平日の夕方~夜ということもあります。
学校が終わった後に通うことができるかどうかをよく考える必要があります。
中学・高校生でクラブチームに所属している場合は、物理的に参加する時間がないということと選手登録の面などから学校の部活動には参加しないことが多いでしょう。
月謝は比較的高いです。
しかしコーチによるしっかりとしたバックアップ体制がありますので、お手伝いなどの保護者の負担は軽いといえます。
ただし幼少期にはクラブチームであっても積極的に保護者の帯同などを求める場合もあります。各クラブチームの考え方や雰囲気は様々ですのでその辺りは事前にしっかり把握する必要があるでしょう。
いずれの場合も、ユニフォームやシューズ、ソックス、ボールといった各自必要なものについては「月謝」以外の出費となるでしょう。成長期であるという点や汚れたり破れたりすることが多いため、かなりのスパンで買いかえていくことが必要となってきます。合宿の費用なども月謝とは別の徴収となることがほとんどでしょう。
サッカーのメリットは? 通わせると親も大変?
サッカーをお子さんの習い事として選ぶ理由としては、「チームプレーを幼いころから経験することによって協調性や礼儀、団体内での判断力を養う」といった声が聞かれます。
水泳やテニスといった個人競技であっても練習していく過程においては協調性や団体行動力はもちろん必要です。
ただ、試合中に大人数と協調する必要性はあまり大きくはないといえるかもしれません。「大人数と協調しつつ各自がしっかりと役割を果たし、一つのチームとして勝利を目指す」という点が団体競技の面白さだと思います。
こうしたことは実生活の中でも役立つ場面がたくさんあります。習い事として人気が高いのもこの辺りに理由があるのでしょう。
「スポーツ少年団」の場合、監督やコーチが保護者のお父さんなどということもあって、本格的な技術指導にはあまり期待できない面があります。
たまたまサッカー経験者の方がコーチなどに入った場合には指導としてレベルの高いものになることもあります。
「スポーツ少年団」の場合、実のところチーム内の温度差はかなりあるのではないでしょうか。
つまり「地域の親睦や礼儀を身につけることを主目的としており、適度な運動ができればよい」と考えている人から「試合などをたくさんして技術的に向上したい」と考える人まで、様々な人が入っているということです。
特に入団テストなどもなく近隣住民で構成されているため、こうした温度差が発生するのは当然のことだと思います。
そのため「幼少期はスポーツ少年団であったが成長するにつれて技術的に物足りなくなりクラブチームに移行した」といった例はたまに聞かれます。
周囲との協調性や団体行動力を養いたい、適度な運動をしたいといったことが主目的である場合にはスポーツ少年団はよいと思います。
練習場所も近隣ですし料金も安価です。同じ地域のお子さんや保護者の方と仲良くなる大変良い機会でしょう。保護者の出番が多いのは事実ですのでその辺りはよく考える必要がありますが、保護者間の連帯はお子さんにとっても良い影響があるといえるでしょう。
技術的な向上が目的の場合にはクラブチームを考えてみるとよいでしょう。
住んでいる地域にとらわれない様々な交友関係が広がるといった利点もあります。地域に関わらず広範囲で、長くサッカーという競技に向き合いたいという子と知りあえる可能性があります。
ただしクラブチームは通うのに遠方という場合が少なくありません。
小さいうちはおうちの方が送迎するとしてもやがては自分で通うことになりますので、それが可能かどうかをよく考えていきましょう。
また、クラブチームとひとことで言っても各チームの実績や方針、雰囲気は様々です。いったん入団すると保護者のお手伝いなどはほとんどないことが多いため楽な半面、チーム内の様子はあまり見えないといった場合もあります。
お子さんに合っているかどうか、公開練習や説明会などに積極的に赴いて判断していきましょう。
心の成長にも一役
小さい頃はボール遊び程度から始まるサッカーですが、本来はかなりハードなスポーツです。
お子さんの体には負荷が大きい面もあります。おうちの方もその点をよく理解しておく必要があります。
練習中の適度な休息はもちろんですが、練習後のストレッチなどについて入念に指導してくれるコーチ・監督は体のメンテナンスについても詳しいといえるでしょう。
また、最初はボールをみんなと一緒に追いかけることが楽しいといった気持ちから始めることがほとんどですが、上達するにつれて自分はどのポジションに向いているのか、チームの中でどういった動きができるのかといった点について精神的に悩むことも出てきます。
小学生の頃などはどうしても、得点を上げる子だけが目立つといった風潮もあります。
こうした時に適切なアドバイスや指導ができるコーチ・監督と巡り合えると、その後のサッカー人生は大いに楽しいものとなっていくでしょう。
身体能力の向上や技術面ももちろんですが、心の成長にも一役買うようなサッカー教室をぜひ探していただきたいと思います。