春は新しい生活がスタートする時期。入園や入学、就職や転勤など、新しい環境の中での生活が始まると、これまでには想像していなかったようなことも起こりがちです。
慣れない道や場所、施設での思わぬ怪我や事故、環境変化による体調不良やストレス。そういった、新生活における不測の事態に備えるために、人は保険に入ります。保険に加入する際に、「保険者」や「被保険者」という言葉が度々登場しますが、それぞれ、どのようなちがいがあるのでしょうか。
今回は「保険者」と「被保険者」のちがいを見てみたいと思います。
「保険者」とは
「保険者」とは、対象となる保険事業を運営している団体や組織、企業のことを指しています。例えば、健康保険であれば「健康保険組合」という組織が保険者に、国民健康保険であれば「市区郡単位の自治体」であったりします。
民間企業が運営する保険であれば、民間企業が「保険者」です。
「被保険者」とは
「被保険者」とは、その「保険者」が運営する保険に加入している者のことを指しています。保険に加入することで、その保険が有する様々なサービスや補助などを受けることができるのです。
「保険者」と「被保険者」のちがい
先の説明でも記載しましたが、「保険者」は、その保険事業を運営している主体です。
「非保険者」は、その「保険者」の運営する保険に加入して保険事業の持つサービスを享受します。ちがいという観点で説明すると、「保険者」は「被保険者」から毎月の契約料(保険料)を徴収します。
「保険者」は、徴収した契約料を元に、加入者である「被保険者」に何かあった場合の金銭的な補助を行います。
簡単に言い換えると、「被保険者」は「保険者」に契約料(保険料)を支払い、「保険者」は「被保険者」に該当する事由に相当した場合に保険給付金などを支払う、というちがいになります。
「保険者」と「被保険者」のちがい まとめ
「保険者」と「被保険者」のちがいについて紹介しました。
多くの場合、保険は「被保険者」となる私たちが、任意で加入します。不安がある事象に対して、すべてを保険に加入することでカバーしようとすると、多額の契約料(保険料)に締め付けられてしまいます。
また、保険に入ることで、「保険があるから大丈夫」という注意喚起が低下した状態(モラルハザード)に陥ることもあります。
逆に、一切保険に加入していない場合に、不測の事態に対応不能になってしまうこともありますね。それぞれの人生設計や自己の行動パターン、貯蓄の有無など、様々な要素を考慮して、吟味したうえで保険に加入すること、人生のステージ変化に応じて保険を見直すことが大切になってきます。