男の子をお持ちのご家庭で「カードを買ったことがない」という方は少数派なのではないでしょうか。
たとえお子さんが短い期間しかカードゲームをしなかったとしても、一度くらいは買ったことがあるのではないかと思います。
男の子にとって、DSなどの携帯ゲーム機用ソフトやアプリゲームと並んで、カードゲームは今も高い人気を誇っています。
近隣でも小学生くらいの男の子が公園などでカードゲームに興じている姿を見ることができるのではないかと思います。
何が人気? 男の子が夢中になるトレーディングカード
「トレーディングカードゲーム」(略称トレカ・TCG) とは、トレーディングカードとして販売されている専用のカードを使用して行うカードゲームのことです。
通常1対1の対戦型で行われ、「デッキ」とよばれるカードの束を各自が用意して対戦に臨みます。
昔から「カードゲーム」とよばれるものは存在しました。例えば、百人一首、かるた、花札、トランプといったものです。
それらはもちろん今でも人々を楽しませていますが、こういった古くからあるカードゲームと現在のカードゲームとは何が違うのでしょうか。
一番の違いは「カードの種類」でしょう。既に札の種類が決まっているトランプやかるたと違い、「トレーディングカード」の種類の豊富さには目を見張るものがあります。
発売当初から現在に至るまで次々と新しいカードが発売されています。新しいカードが加わることでゲームの展開や勝敗の行方も変わってきますから、新しいカードが発売されると誰でもひととおりはチェックしたくなるものです。
カードのデザイン性の高さも人気の理由の一つだと思います。
どのカードも子どもだましのようなものではありません。大人が見ても「カッコイイ」「きれい」「可愛い」という気持ちになります。またレアなカードなども存在し、持っていること自体がステイタスとなる場合もあります。
こうしたカードを集めて1対1のバトルをするということに興味をそそられる男の子の心理は充分に理解できるものがあります。
さらに、男の子が最も夢中になるポイントは「自分で考えて最強のデッキをつくる」「自分が組んだデッキで相手に勝利する」という楽しさにあるのではないでしょうか。
「デッキ」は決して絵柄が好きだからなどといった理由で組むのではありません。
まずルールや各カードの特性をしっかり覚えなければなりません。
カードの説明には難しい漢字や表現なども使用されているのですが、こうしたことを知らず知らずのうちに理解していくことになります。
ルールを理解したうえで、勝つためにどうしたらいいかを考えながらカードを集めて「デッキ」を組んでいくのですが、これがまた実に多様なものとなります。
勝つために決まった「デッキ」があるわけではないので、集めるカードにも個性が出ます。
対戦相手によって「デッキ」を変えることもあります。
一般的に「強い」といわれているカードばかりを集めればいいというわけではなく、自分の持っているカードの性質やカード同士の相性なども考慮していかなければなりません。
バトル中には素早い計算力も必要です。目の前の相手と対戦するためにはコミュニケーション能力も大切となってくるでしょう。
実はこうしたことを「面倒くさい」と感じてカードゲームから離れていく子もいます。ただカードを収集することが楽しいという子もいるとは思いますが、トレーディングカードゲームをきちんと行うためには頭と神経をかなり使うのです。
あらかじめルールや計算方法などが内蔵されていてボタンを押していけば進めることのできる携帯ゲーム機用ソフトやアプリゲームと比べて、カードゲームははるかに面倒なものなのです。しかしその分、奥深さもあるといえます。「頭を使って遊ぶ」という意味ではカードゲームはかなり有効だといえるのではないでしょうか。
口コミで人気なお勧めのトレーディングカードはこれ!
デュエル・マスターズ
通称「デュエマ」「DM」といわれるもので、2002年に発売されて以来子どもから大人まで幅広い人気のカードゲームです。漫画やアニメ、アプリなどのメディアでも展開が行われています。
プレイヤーは40枚のカードで組まれた「デッキ」でバトルを行います。ルールは「色々なクリーチャーや呪文を駆使して相手のシールドをブレーク、相手より先にダイレクトアタックを決めた方が勝ち」というものです。用語は多いもののルールは比較的分かりやすいといわれており、小学校低学年から充分に楽しめます。
遊戯王 デュエルモンスターズ
高橋和希の漫画「遊☆戯☆王」の中に登場する「デュエルモンスターズ」というカードゲームをもとに制作されたものです。
カード以外にも、アニメやアプリといった幅広いメディアでの展開が行われています。プレイヤーは40枚から60枚の「デッキ」でゲームに臨みます。
基本的に「相手のライフを削っていく」というゲームですが、ルールや計算方法は難しいといわれています。
用語も多く、それらをきちんと覚えるのは小学生にとってはやや大変でしょう。プレイヤーは小学校高学年~高校生といわれていますが、そのルールの複雑さや奥深さから、大人でもはまっている人は多いのではないかと思います。
ポケモンカードゲーム
映画やテレビアニメなどもヒットしており、知らない人はいないのではないでしょうか。
携帯ゲーム機用ソフトが主体ですが、カードゲームは1996年に第一弾が登場しました。ハーフデッキで30枚、フルデッキで60枚のカードを使用します。
絵柄が可愛いため「カードを集めたい」という気持ちは幼稚園児からでも見られます。
ルールは「相手のポケモンを気絶させてサイドを全部取れば勝ち」というもので、比較的やさしいため小学校低学年程度のお子さんが中心です。
カードファイト!! ヴァンガード
同名のアニメ・コミックスの中に出てくるカードゲームをベースに制作され、2011年にブレークしました。
「クレイ」という地球によく似た惑星が舞台となっており、物語性を重視したゲーム内容となっています。
一人50枚のカードを「デッキ」として用意します。
ルールは「相手のヴァンガードに攻撃をヒットさせ相手に6ダメージを与えたら勝ち」というものです。一見簡単で運の要素も大きいといわれていますが、そればかりではない奥深さがあり、プレイヤーの年齢層は小学校高学年~中高生と比較的高めといわれています。そのキャラデザインなどから女性ファンも一定数いるということです。
バトルスピリッツ
2008年に発売され、タイアップアニメシリーズも制作されました。携帯ゲーム機用ソフトも発売されています。
「スピリット」と呼ばれるモンスターを召喚して相手を攻撃し、相手のライフを0にすることが基本的なルールのゲームです。
このゲームを行うには「カード」「コア」「ソウルコア」が必要です。「カード」を40枚以上組み合わせた束を「デッキ」とし、そのほかに15個くらいの「コア」と1個の「ソウルコア」を用意してゲームに臨みます。
ルールが難しいためプレイヤーの年齢層は比較的高めといわれていますが、小学生でも充分プレイすることができます。
そのほかにも『マジック・ザ・ギャザリング』『ヴァイスシュヴァイツ』など様々なカードゲームがあります。
それぞれのカードゲームには独自の壮大な世界観があり、好みの分かれるところです。小学生などのお子さんの場合には、たまたまその時に周囲で流行っているものが何かということにも左右されるでしょう。
カードを買い足すときは
どのカードゲームにも「スターターパック」のような、とりあえずは対戦することができるカードのセットが販売されています。
初めて買う場合にはそういったものを購入するとよいでしょう。
しかしカードの購入をめぐって本当に大変になってくるのはそのあとです。ルールを理解していくにつれてどうしてもほしいカードが出てくるからです。
また新しいカードも次々と発売されていきます。
小学校低学年やゲームを始めたばかりのお子さんでは、ルールや効果などをあまり考えずに「新しいカードが出たから買いたい」といった場合も多いでしょう。
こういったときにはきちんとルールを理解しているか、どういう理由でどんなカードがほしいのか、どんなデッキを組みたいのかといったことを聞いてみるといいでしょう。
一緒に遊んでみるのもとてもいい方法です。ただし初めての時はルールやカードの効果などが意外と複雑なことに驚くのではないかと思います。
お店で買える新しいパックにはたいていの場合は不要なカードが含まれています。
それどころか、「全ていらなかった」ということもあります。数パック買って満足するならばそれでもいいのですが、目的のカードがある場合には中古カード店などを上手に利用していくことをお勧めします。
ただし中古のカードには高額なものがありますのでよく話し合った上で購入しましょう。
ゲーム自体にはあまり興味がなく、ただカードを集めることに熱中している場合もあります。
特に小さいお子さんの場合、一般的に「強い」といわれるカードやレアなカードを持っているだけで周りから羨ましがられたりすることがあります。
こうした場合に競争のように購入していくのはできれば控えたいところです。お子さんの回りの状況などにもよりますのでよく話し合って考えていく必要があるでしょう。