日常の食料品としても、いざというときの非常食としても便利な缶詰。
近頃はプルトップ型が増えてきて、道具がなくとも簡単に開けられることがほとんどになりました。
しかし、まだ昔ながらの缶詰は存在します。そしてプルトップ型全盛の時代だからこそ、缶切りをどこにやってしまったか思い出せない、という事態にもなりやすいものです。
そこで旧来の缶詰を、缶切りなしで開ける方法を7つ、紹介していきたいと思います。
缶切りが無いときに缶を開ける 安全のために準備するもの
まず最初に注意しておきたいのですが、缶詰を開ける行為には少々危険が伴います。
方法によってはかなり強く力を入れる必要がありますし、また缶が開いたときに勢いで指を切ってしまう可能性もあります。
軍手またはタオル
缶切りの代用品を直接手に持って使うと、指を痛める危険があります。
軍手やタオルを用意しておけば指を痛める危険をそれをかなり軽減させることができます。
ラジオペンチ
ラジオペンチは缶にある程度の穴が開いたときに、それを一気に広げるために使います。
缶をすべて開ききるまで代用品を使い続けると、切り口を指に引っ掛けてしまう危険がありますので、ラジオペンチで一気にこじ開けてしまうのがよいと思います。
缶切りの代用品 スプーン
どんなご家庭にもまず間違いなくあるであろうスプーン。
口に入れるものですし、丸い形状ですから、缶を切れるイメージはあまり湧かないかもしれませんが、しっかり代用することができます。
まず、できるだけ大きなスプーンを用意します。
また、傷がついても構わないものを選んでおくのが無難です。
そうしたら、スプーンの先端近くを持って、缶詰のフチの一点にあて、力を入れてこすりつけます。
これだけで、やがて横長の穴が開きますので、あとは同じことを繰り返して穴を広げ、最後はスプーンをテコの原理のように使ってこじ開けるか、あるいは先述したラジオペンチを使います。
スプーンを使う際の注意点は、そこそこ力が要るということです。
缶切りの代用品 ハサミ
ハサミもスプーンと同じく、どのご家庭にもあるものではないかと思います。
ハサミを使って缶詰を開けるときには、刃の片方だけを使います。
やはり缶詰のフチの一点を対象として、こすりつけるか、あるいはある程度力を加減しながら叩いていきます。そうすると小さな穴が開きますので、これを繰り返すことで缶詰は比較的簡単に開けることができます。
ハサミを使う先に注意すべきは、やはり刃物ということで、危険度が高いということです。
缶切りの代用品 アイスピック
そのイメージの通り、しっかり開けることが可能です。
缶詰のフチにあてて、刺すようにして穴を開けていくわけですが、このとき単に力を入れるのではなく、アイスピックのお尻を金槌などで叩いてもいいかもしれません。
一つ穴が開いたら、少し間隔を空けて同じような穴を他にもいくつか開けていきます。
そのあと、缶詰の蓋を押し込めば、蓋は中に沈んでいきますね。それをアイスピックでこじ開ければ、綺麗に開けることができます。
ココに注意
- アイスピック自体が尖ったものですので、手を刺してしまわないよう注意すること。
- アイスピックは細いので、折れてしまう可能性もいちおう考慮しておくこと。
使おうとしているアイスピックが、何かの事情で手放したくないものである場合は、他の代用品を先に考えたほうがいいかもしれません。
缶切りの代用品 マイナスドライバー
マイナスドライバーも、上記のアイスピックと同様の方法で缶切りの代用品として使うことができます。
アイスピックと比べて頑丈で壊れにくいので、両方ある場合は、こちらを優先的に使うとよいかもしれません。
缶切りの代用品 ナイフ
ナイフで缶詰を開けることも可能です。
ただし危険度は、今回紹介した中でももっとも高いと思われますので、他の代用品を用意できるようでしたら、そちらを優先したほうがよいでしょう。
ナイフを使う場合のコツは、2つあります。
- あまり大きなものではなく、果物ナイフかペティナイフのような小さなものにしたほうがやりやすいということ。
- ナイフの先端を使うのではなく、刃元(グリップに近いほう)にある尖り、いわゆるアゴを使うということです。
ただし、アゴのないタイプのナイフも多くありますので、その場合は先端を使う以外にありません。
これまで説明してきた方法と同じく、ナイフも缶詰のフチに当て、こすりつけるようにして穴を開けていきます。
比較的容易に開けることができると思いますが、手を切ってしまうことにはよくよく注意するようにしてください。
缶切りの代用品 小銭
小銭を使うことでも、缶詰を開けることはできます。
これまで説明してきた方法と同じく、缶詰のフチにあてて、強くこすりつけます。
やがて穴が開き始めますので、そうしたら金槌のようなもので小銭の上から叩いていくとよいでしょう。
ココに注意
- 道具としてはとても小さいので、指が缶詰と非常に近くなること。よって、勢い余って缶詰の切り口に指を引っ掛けてしまう危険性も高い
- 小銭は尖っているわけでもなく、また指が缶詰に近いことに気をつけて作業する必要もあるため、ある程度の時間がかかるかもしれない
缶切りの代用品 最後の手段:コンクリートにこすりつける
道具がまったく見つからないときは、コンクリートやあるいは岩など、硬いものにこすりつけることによって、缶を開けることができます。
災害時に、非常食を持って屋外へ避難しているときなどには、この方法が役に立つことも多いでしょう。
もちろん、日常生活において、ちょっと外に出てコンクリートを探すのもアリです(いささか大袈裟ですが)。
具体的な方法は、缶詰を逆さにして持ち、フチをひたすらこするだけ。フチが削れたら、缶詰を押すことで、開いた蓋が飛び出すように開きます。
ココに注意
- 逆さにしているため、中身の液体がこぼれ出てしまう可能性があること。
- コンクリート上にある破片などが、缶詰の中に混入してしまうことも考えられる。
前者は削れ具合を細かく確かめることで、後者は食べる前に中身を確認することで、それぞれ回避するようにしてください。
缶切りの代用品 まとめ
缶詰を開ける方法を7つ、紹介させていただきました。
缶詰は賞味期限も長く、とても重宝するもので、そういうところから「極めて頑丈で開けにくいもの」というイメージを持ってしまっていた人も多いのではないでしょうか。
しかし、開ける方法は実はたくさんあるのです。
旧式の缶詰を目の前にして途方に暮れてしまう心配は、もう無いでしょう。今回紹介した内容を覚えておき、いざというときに活用できるようにしておいてください。