食生活

幼児のカルシウム不足が心配・・・サプリメントで補っても平気?

栄養の偏りや不足は色々な原因で起こります。

特にカルシウムに関してはさまざまな世代で不足が問題となっています。厚生省が毎年行う「国民健康・栄養調査」によれば、日本人のカルシウム摂取量は例年目標値を下回っているということです。

  

幼児にカルシウム不足の原因は?

なぜカルシウムの不足は起こるのでしょうか。

具体的な原因を考えてみたいと思います。

カルシウムの摂取量が足りない

まず多くの方にとって物理的にカルシウムの摂取量が足りないということがいえるようです。

お子さんの場合、たとえば牛乳200mlだけでは一日に必要なカルシウム量には届かないということです。

また食生活の欧米化に伴い、小魚やひじき、豆類といった和食に多く使用されるカルシウム豊富な食材を摂る機会が減っていることもカルシウム摂取の低下につながっていると考えられます。

加工食品の過多

インスタント食品やファストフード、お菓子といった加工食品には、カルシウムを体外へ排出させるリンが多く含まれています。

そのためこうした食品を過剰に摂取していることがカルシウムの不足につながります。

リン自体は糖質の代謝を高めるなどの働きがあり、摂取しなければならない栄養素の一つです。しかしカルシウムと一緒に摂取することは控えるなどの工夫が必要といえます。

戸外での活動不足

カルシウムはただ摂取しただけでは体内で充分な役割を果たすことができません。

カルシウムが腸から吸収される際にビタミンDが必要です。最近の子どもたちは外遊びの機会が減少しているといわれていますが、外で適度に日光を浴びることでビタミンDを作ることができます。

吸収率の悪さ

カルシウムは体内にとても吸収されにくい栄養素であり、他の栄養素との食べ合わせによっても吸収率が大きく左右されてしまいます。

上に挙げたリンのほかにも、食物繊維、動物性たんぱく質といったものと一緒に摂取した場合にも吸収率が低下するといわれています。食物繊維も動物性たんぱく質もそれ自体は身体にとって非常に大切な成分です。食べ合わせを考える上でもカルシウムの充分な摂取はとても難しいといえるでしょう。

幼児のカルシウムが足りないとどうなってしまうの?

カルシウムが不足すると幼児(主に満1歳から小学校に就学するまでのお子さん)には具体的にどのようなことが起こる可能性があるのでしょうか。

骨への影響

カルシウム不足になると骨の形成や成長が妨げられるという点がもっとも知られていることでしょう。

体内のカルシウムが不足すると骨からカルシウムが溶け出して血管に流れ込もうとする現象が起きます。骨格が充分に形成されないことは成長に大きな影響を及ぼします。

歯への影響

カルシウムが歯の形成に大きな影響がある点もよく知られています。不足すると歯がもろくなったり変形したりする可能性があります。

歯がもろくなると虫歯になることも多くなります。

またあごの骨の発達にも支障をきたす恐れがあります。

歯やあごがうまく発達しないと噛み合わせや食べ疲れといったことにつながります。また歯を食いしばることが難しくなり踏ん張る力が減退します。そういったことから、食欲の減退や運動能力の低下につながることがあります。

また噛む力の減退によって消化に負担をかけることになります。その結果消化不良などを起こして内臓や栄養の吸収面に悪い影響を与えます。

さらに歯やあごがうまく発達しないことから、常に首や肩の周りの筋肉が緊張状態となりそれが肩こりや腰痛の原因となることもあるといわれています。

血管への影響

カルシウム不足は血管の老化を早めます。

大人だけでなく子どもであっても高血圧や動脈硬化などの病気を引き起こす恐れにつながります。手足の末端やまぶたが小刻みに震えたり足がつりやすくなったりする神経系の症状を引き起こす可能性もあります。

精神的な影響

カルシウムの不足によって精神状態の不安定が起こります。

イライラしやすい、集中力が持続しないなどといったことが起こり、周囲との関係や普段の生活に影響を及ぼすこともあります。

アレルギーとの関連

カルシウムは、細胞やウィルスが体内に侵入するとすばやく情報をキャッチして免疫細胞に伝えるという役割を担っています。

カルシウムが不足するとこの情報伝達がスムーズに行われなくなります。

過剰に反応したり異物と勘違いして正常な細胞を攻撃したりするといったことが起こり、結果としてアトピー性皮膚炎や花粉症、アレルギー症状などを引き起こす恐れがあります。またカルシウムには皮下組織の充血を防ぐ働きがあります。不足することによってじんましんなどの原因になることがあるといわれています。

  

幼児にサプリメントってあり?なし?

カルシウムを多く含む食材としては、小魚・魚の骨、チーズ・牛乳などの乳製品、海藻類や煮干し…などが思い浮かぶと思います。

イワシ・サンマ・サバの缶詰などにも豊富なカルシウムが含まれていますがこういったものには塩分も多く含まれています。

乳製品などに関してはカルシウムと同時に脂質も多く含まれています。カルシウムだけの問題ではありませんが、ある栄養素にこだわりすぎると他の成分に関して過多が起こる可能性もあります。

また上でも書いたとおり、カルシウムは食べ合わせによっても吸収率が大きく左右される栄養素です。

充分な量の摂取はなかなか難しいといえるでしょう。特に幼児期のお子さんの場合は一日に食べる量自体があまり多くありません。偏食などの問題もあるでしょう。限られた食事量の中でバランスを考えていくことは非常に大変です。

こうした時に、必要な栄養素を低カロリーで手軽に摂取する手段としてサプリメントが考えられます。

子ども用サプリメントは現在たくさん販売されています。子ども用サプリメントの中でも特にカルシウムは、ビタミンやミネラル類と並んでとても人気が高い商品といえます。

 

幼児期のお子さんがサプリメントを摂取する場合にはどんなことを注意したらよいのでしょうか。

子ども用に開発されているサプリメントの場合には、一般的に原材料の安全性やアレルギーなどへの配慮は高いといえるでしょう。しかし摂取する前には公式HPなどで商品についての注意をよく読んで、納得できる商品を選んでいくことが大切です。

一般的に子ども用サプリメントといわれているものにも対象年齢があります

。特に幼児期のお子さんの場合にはしっかり嚥下や咀嚼が可能であるかという点が問題となります。対象年齢を把握するだけではなく、摂取の際には実際のお子さんの様子もきちんと観察して正しく摂取できているかどうかを確認しましょう。

また複数のサプリメントを並行して摂取するのは止めましょう。

子ども用サプリメントの場合には色々な栄養素が配合されているタイプのものが多いため、複数の商品を摂取すると含まれている栄養素が被ってしまい摂取オーバーになる恐れがあります。過剰摂取という面からは大人用のサプリメントを与えないという点も重要です。

 

お子さんのカルシウム摂取について心配がある場合には、上記のような点に配慮しながら子ども用サプリメントで補っていくとよいでしょう。

  

食生活の見直しも大切

カルシウムを一般的な食事で充分に摂取していくことはなかなか難しいといえます。

そのため幼児期に子ども用サプリメントを摂取して不足分を補っていくことを検討することも大切といえるかもしれません。普段からかかりつけの小児科などがある方は医師に相談してみることもおすすめします。

大切な点としては、サプリメントはあくまでも「普段の食事のサポート」と考える必要があるということです。

これはカルシウムに限ったことではなく、どんな栄養素に関しても「サプリメントを飲んでいるから安心」ということでは決してありません。食事を通してバランスを整えていくことが最も大切です。

栄養素ばかりに目がいき実際の食卓がおざなりになってしまっては本末転倒です。

お子さんの成長にとって工夫を凝らした食卓は、身体面ばかりではなく精神面でも大変良い影響があります。まずは日常の食生活をしっかり考えていくことが大切となるでしょう。

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