テントと地面のあいだに敷く、グランドシート。
アンダーシートやフットプリントとも呼ばれ、テントを張るときにはなくてはならないものであるとされています。
しかし、いざ買おうとすると、これがなかなか高くて、ためらってしまうことがあります。
できればテントと同じメーカーのもの=純正品を揃えたいところですが、テント泊をするための準備は他にもいろいろあり、出費がかさみます。
なかなかグランドシートにまで回らない、ということもあるのです。
また、純正品が売り切れていて手に入らない、というときなどは、どのようにして間に合わせるか、と悩んでしまうこともあるでしょう。
本記事ではそういったときのために、グランドシートの代用品についての情報を提供していきます。
グランドシートの重要性
まず最初に、グランドシートがどうして必要なのか、ということからまとめていきましょう。
以下に挙げる理由はどれも重要なものばかりで、テントの下に何も敷かないという選択肢があり得ないことを示しています。
逆に言うと、これらの役割を果たすことのできるものなら代用品として使えるということですから、その意味で、きちんと把握しておく必要があります。
防水のため
地面からの湿気や、雨水の侵入を防ぐため、というのがまずあります。
テントを設営する場所にもよりますが、地面の土は想像以上に水分が含まれていることが多いです。
それらの水分は、テントを敷くことでいっそう結露しやすくなります。
グランドシート無しで地面の上に直接テントを敷くと、テント自体に結露や水分が付いてしまい、痛みやすくなってしまいます。
また、山の中でテントを設営する場合、天候が変わりやすいので、いつ雨が降るかわからないことも考える必要がありますよね。
冷気を抑えるため
夏のいちばん暑い時期はともかく、それ以外の時期にテントを設営する場合、地面からの底冷えを防ぐ必要があります。
特に山は、明け方にかけてとても寒くなることがあり、このときテントを地面の上に直に敷いていると、土からの冷気がダイレクトに伝わってきてしまうのです。
グランドシートを敷くことで、底が二重になりますので、その底冷えをある程度軽くすることができます。
汚れや破損を防ぐため
いちばん大切なのが、この理由です。
先ほど「テントを敷くことで地面の水分が結露しやすくなる」と書きましたが、それによって土は柔らかくなり、泥になります。
このとき、テントを地面に直接敷いていると、テントにべっとりと泥がついてしまうことになります。
できればそれは防ぎたいですよね。
さらに気にすべきなのは、地面に落ちている石や小枝などで、テントが破れてしまう危険性です。
テントは自然の中に張るものですから、地面は何もないまったくの平ら……というわけにはいきません。いろいろなものが落ちています。
何万円もかけて買ったテントが、そのようなことで破損してしまっては、せっかくのレジャーも台無しになってしまいます。
そういったことを防ぐためにも、グランドシートは必要とされているのです。
代用品にはブルーシート
上に挙げたグランドシートの重要性をよく考えた上で、いよいよ代用品について考えていきましょう。
結論から言ってしまうと、グランドシートの代用品として使うべきはずばり、ブルーシートです。
これ一択といってよいでしょう。
実用的でコスパが良い
防水対策、冷気対策、汚れや破損対策。
いずれについても、ブルーシートならじゅうぶんに役割を果たしてくれます。
それでいて値段は一般的なグランドシートよりも安いので、コストパフォーマンスにも優れています。
もちろん、100%完全にグランドシートと同じようにはいきません。たとえば、多少破れやすいといった短所が見られます。
しかしそのぶん安いので、使い捨ての感覚で頻繁に買い換えることができますよね。
グランドシートの1/3の値段なら、単純計算で3倍破れやすくても、かかるお金は変わりません。
丁寧に使っていれば、そんなすぐには損傷しませんので、長い目で見ても決して損はしないと言えるでしょう。
また、汚れるものは使い捨て感覚でいたほうが気分が楽、という人にとっても好都合なのではないでしょうか。
厚手のものを選ぼう
ブルーシートには厚さが何種類もあるのですが、グランドシートの代用品として使う場合には、ある程度以上厚手のものを選ぶようにしましょう。
ブルーシートの厚さは、商品のカバーを見ても具体的には書いてありません。
その代わりに「番手表示」と呼ばれる数字が書いてあります。#1500、#2000といったものです。
数字が大きいほど厚みがあり、引き換えに重くて持ち運ぶのが大変になっていきます。
グランドシートの代用品としては、#3000くらいがオススメです。
それくらいの厚さがあれば、地面のちょっとしたでこぼこにも対応できます。
それ以上の厚さでも、地面に敷く上での支障はないのですが、重くて持ち運びが面倒に感じられるかもしれません。
ブルーシートはブルー以外にもある
ブルーシートという名前で呼ばれていますが、実はすべての製品がブルーなわけではありません。
他にもいろいろなカラーがあり、テントの設営場所に応じて好きなものを選ぶことができるようになっています。
グランドシートの代用品として使う場合、ブルーだと「いかにもブルーシート」という感じがして、少し見栄えが悪いかもしれませんね。
そう考えるのであれば、他のカラーにすることをオススメします。
ここでは、代表的なものを幾つか挙げていきます。
グリーン
草の上にテントを設営する場合、グリーンのシートを選んでおくと、保護色のように溶け込んで自然な感じになります。
もちろん、テントそのものは目についてしまうわけですが、下に敷くものは地味にしておきたいという場合には、そういう選び方もアリでしょう。
シルバー
シルバーはUVカットなどの効果をウリ文句とする場合に多いカラーですが、グランドシートの代用品として使う場合には、ほとんど関係ありません。
たとえば川辺にテントを設営するときには、地面によく馴染むのではないかと思われます。
オレンジ
オレンジは、秋の落ち葉だらけの場所にテントを設営する場合には、周囲によく溶け込んでくれます。
それ以外の季節や場所においては、逆にテントを目立たせたいときに使うとよいのではないでしょうか。
テントそのものだけでなく、シートも目印にすることができるかもしれません。
迷彩
場所によっては、迷彩がいちばん自然に映ることもあるでしょう。
また、単純に迷彩柄が好きだという人は、その気持ちに従ってこれを選んでおくのも悪くないと思われます。
まとめ
以上、グランドシートの役割と、その代用品としてのブルーシートについてご紹介しました。
くれぐれも注意していただきたいのは、面倒臭いといった理由で、地面の上に直接テントを敷かないように、ということです。
ほんのわずかな違いに感じられるかもしれませんが、そこできちんと備えをしておくかどうかで、いろいろなことが段違いに変わります。
グランドシートを用意できないときは、ブルーシートでしっかり代用。
これを忘れず、快適なテント泊を楽しむようにしてください。