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「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の違いとは

「辛い」の字は、「からい」「つらい」と二つの読み方があります。

味の「からい」と、気持ちをあらわす「つらい」が、なぜ同じ漢字なのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の違いについてお伝えします。

まず、漢字「辛」について考えてみましょう。

「辛」の成り立ち

「辛」は象形文字です。「入れ墨をするための針」という、鋭い刃物の形をあらわしています。

「辛」は、「刃物で刺す」という意味から「刺すような痛み」という感覚を表現していました。

漢字「辛」の意味を踏まえて、「辛い」(からい)と「辛い(つらい)」の違いを考えてみましょう。

「辛い(からい)」とは

「辛い(からい)」は、常用漢字表で認められた読み方として、公的な文章でつかわれています。

「辛い(からい)」の意味は、

  • 「とうがらし」「わさび」などをなめたときのように、舌や喉を刺すような感じである
  • 塩気が多く、しょっぱい
  • 評価の基準や、人に対しての態度が厳しい

などがあります。

「辛い(からい)」は、食べ物の味について使われることが多い言葉です。

「辛い」に「からい」の意味をあてた理由は、人の味覚が関わっています。

人間は食べたときに舌で食べ物を味わうことができる味覚という感覚があり、塩味・甘味・酸味・苦み・うま味を感じることができるのですが、実は「辛味(からみ)」は味覚の中に含まれていません。

なぜ「辛味(からみ」が、味覚ではないのか?

それは、「辛味」は舌で感じるのではなく、痛みや温度を「痛み」として感じるという意味だからです。

かつて日本人は、辛い食べ物を食べた時の口や喉の痛みを、「からい」と表現しました。

そうして、「刺すような痛み」という感覚を意味する中国から渡来した漢字「辛」の字を、「からい」にあてたのです。

「辛い(つらい)」とは

「辛い(つらい)」は、常用漢字表で認められた読み方ではないため、公的な文章では使われず、多くの辞書でこの読み方は載せられていません。

「辛い(つらい)」の意味は、

  • 心や体がひどく堪えて、耐えられないくらい苦しい
  • 他人に対してひどい、冷酷な態度をとること

です。

「辛い」がなぜ「つらい」とも読まれるようになったのかそれは、「辛」の漢字の成り立ちから考えることができます。

「辛」の字は、もともと「入れ墨をするための鋭い刃物」を意味していました。

かつての中国では、罪人に入れ墨をするという刑罰があり、その刑罰は心身ともにかなりの痛みを伴ったものだったのです。
そのため、心に痛みを感じるという意味の「つらい」を「辛」にあて「辛い(つらい)」と読むようになったと考えられています。

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の違い

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の違いをまとめると、

「辛い(からい)」

「辛い(からい)」は常用漢字表で認められた読み方であり、公的な文章で使うことができ
る。

「辛い(からい)」の意味

  • 「とうがらし」「わさび」などをなめたときのように、舌や喉を刺すような感じである
  • 塩気が多く、しょっぱい
  • 評価の基準や、人に対しての態度が厳しい

「辛い(からい)」は、「からい」食べ物を食べた時に、喉や口に感じる痛みや温度のこと。

「からい」に「辛」の漢字をあてたのは、「辛」の漢字が「刺すような痛み」という感覚を意味したため。

「辛い(つらい)」

「辛い(つらい)」は常用漢字表で認められていない読み方であり、公的な文章では使われない。使う場合は、「つらい」と平仮名表記されることが多い。

「辛い(つらい)」の意味は、

・心や体がひどく堪えて、耐えられないくらい苦しい
・他人に対してひどい、冷酷な態度をとること

「辛い(つらい)」は、罪人に入れ墨をするという昔の刑罰が心身共にかなりの痛みを伴ったことに由来する。

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の違いまとめ

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の違いについてお伝えしました。

「辛い(からい)」と「辛い(つらい)」の意味は、どちらも「痛み」を意味する「辛」の字から由来しています。

「辛い(からい)」…からい食べ物を食べた時に喉や口の中に感じる、身体的な痛み
「辛い(つらい)」…ひどいことをされたときの、心の痛み

「辛い」を「からい」「つらい」どちらで読むかは、

食べ物を食べた時の「からい」感覚を表すときは、「からい」
耐えきれないくらい苦しい気持ちを表すときは、「つらい」

など前後の文章から判断するようにしましょう。

また、「

また、「つらい」は常用漢字表で認められた読み方ではないため、公的な文章では「つらい」と平仮名で表記することをおすすめします。

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