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「甘酒」と「白酒」のちがいとは

子供のころ“桃の節句(ひな祭り)”に「甘酒」を飲んでいたという方のなかで、童謡『うれしいひな祭り』に疑問を感じた、という方はいらっしゃるでしょうか。

「少し白酒召されたか。赤いお顔の右大臣」の「白酒」の部分への疑問です。自分が飲んでいるのは「甘酒」、右大臣は「白酒」、「甘酒」と「白酒」は同じものだが右大臣は大人だから酒を入れたのではないか、と気になったものです。

今回は、「甘酒」と「白酒」のちがいについてご紹介します。

「甘酒」とは

「甘酒」とは、ご飯やお米などに米麴を混ぜて保温し、こめのデンプンを糖化させた白く濁った飲み物のことを指しています。

アルコールはほぼ含まれず、子供などのおやつにも出されていた庶民的な飲み物です。

また、作り方が簡単で、一晩でできることから「一夜酒(ひとよざ・いちやざけ)」とも呼ばれています。

「白酒」とは

「白酒」とは、みりんや焼酎などに蒸したもち米や麹を入れ、一か月程度熟成させた“もろみ”を軽くすりつぶして造ったお酒のことです。

見た目は「甘酒」に似ていますが、アルコール分は9%程度と高く、白く濁った甘みが強いお酒です。

「甘酒」と「白酒」のちがい

同じもののように誤解していた「甘酒」と「白酒」のちがいは明確で、「甘酒」はノンアルコール、「白酒」はアルコールでした。

また、原料や製法、製造期間もことなる、まったくの別物です。

ではなぜ、「甘酒」と「白酒」は同じもの、という誤解が生じたのでしょうか。その原因はもちろん“桃の節句”にありました。

もともと、“桃の節句”では邪気を払う目的で桃の花を清酒に浸した「桃花酒(とうかしゅ)」を飲む風習があったそうです。また「桃」が「百歳(ひやくさい・ももとせ)」に通じることから、「桃花酒」や薬酒としても飲まれていたようです。

それが、江戸時代辺りから“桃の節句”に「甘酒」が好まれるようになったようです。

「甘酒」は見た目が「白酒」に似ていたことから、お酒の弱い女性や子供にも飲みやすい「甘酒」になったのではないか、とされ、そのことが理由で「甘酒」と「白酒」が同じものである、と誤認されるようになったのではないかと見られています。

「甘酒」と「白酒」のちがい まとめ

今回は「甘酒」と「白酒」のちがいについてご紹介しました。

「甘酒」と「白酒」は別物であり、「白酒」は本当にお酒だったことに、少し驚いた方もいらっしゃったかもしれませんね。

天下泰平となった江戸時代は、庶民の生活が安定したからか、庶民の文化が発展した時代でした。

そんな時代に、「甘酒」と「白酒」が同じものであるという誤解を生むキッカケがあったとは、知りませんでした。

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