年齢を記入するときに、「歳」「才」どちらを使うか迷うことはありませんか?
どちらも「サイ」と読み、一般的に「〇歳」「〇才」というように使われているため、違いがわかりにくい漢字です。
今回は、「歳」と「才」の違いについてお伝えします。
「歳」とは
漢字「歳」は、「戉」(刃物)+「歩」(としのあゆみ)から成り立った漢字です。「作物の種まきから、刃物を使い収穫するまでの一年間」を意味しています。
「歳」の読み方は、常用漢字表では訓読み「とし」音読み「サイ」「セイ」です。
「歳」の意味
- 一年、年
- 数字の下につけて年齢をあらわす、助数詞
- 時の単位
- 穀物や、稲などが実ること
などがあります。
助数詞「歳」は、年齢を数える歳に使う助数詞として、「〇歳」というように使われます。
「才」とは
漢字「才」は、川の流れをせきとめる「堰(せ)き」を表す象形文字からきているといわれています。「才」には、「切断」の意味もあり、するどく切るように物事を裁くことができる人間の才能をあらわしました。
「才」の常用漢字での読み方は、音読みの「サイ」のみです。
「才」の意味
- 知恵のはたらき
- 生まれつきの能力
- 才能のある賢い人
「才」には、もともと「歳」のように「年を数える助数詞」といった意味はありません。
では、なぜ年齢を表す際に、「才」が使われるようになったのでしょうか。
「才」は「歳」を略したものと思われる場合がありますが、「歳」と「才」は成り立ちも意味も違う漢字であるため、略字ではありません。
「才」は「歳」の『代用漢字』です。『代用漢字』とは、「同音の漢字による書きかえ」をした漢字のことをいいます。
「才」は、「サイ」と読み方をする漢字の中で、最も画数が少ない三画の漢字です。常用漢字で「サイ」と読む漢字の中では、「才」より画数が少ないものはありません。
「歳」は画数が多く書く手間があるため、同じ「サイ」の読み方で画数の少ない「才」を代用漢字として用いるようになったのです。
昭和初期には「〇才」という表記が文書にみられるため、「才」が「歳」の代用漢字となったのはかなり前だといわれています。
また、「歳」は中学生、「才」は小学生で習う漢字です。小学時代に年齢を書く場合は、「才」を使用することとなっています。
公式な文書では、「歳」を記入することが一般的です。
「歳」と「才」の違い
「歳」と「才」の違いをまとめると、
「歳」を年齢を数える助数詞であり、公的な書類などで年齢を記入する際は「歳」を用います。
「才」は、「歳」の代用漢字です。「歳」は中学校で習う漢字のため、小学校で年齢を書く際は「才」を用います。
「歳」と「才」の違いまとめ
「歳」と「才」の違いについてお伝えしました。
「歳」と「才」は年齢を数えるときに、一般的に使われています。「歳」と「才」はどちらを使っても、間違いにはなりません。
しかし、漢字そのものの由来や歴史を考えると、正式な場合は「歳」を使うことが望ましいでしょう。
「才」は、「歳」の代用漢字のため略式あつかいとされてしまう場合があります。使う場を考えて、「歳」と「才」の違いを理解しておくとよいでしょう。