スーパーや塾周辺で、小中学生の保護者と思われる方が「教科書の内容が増える」「小学校でも英語が始まる」など、子供の学校教育について話し込んでいるのを何度か見かけたことはありました。
恐らくは、「学習指導要領」の改訂の内容についてお話をされているのだろうと思いますが、学校教育の現場には「学習指導要録」という言葉も存在しています。
今回は、「学習指導要領」と「学習指導要録」のちがいについてご紹介したいと思います。
「学習指導要領」とは
「学習指導要領」とは、全国どの地域で教育を受けても、一定の水準で教育を受けられるようにするために、文部科学省が定めた教育課程の基準となるものです。
各学校は、この「学習指導要領」に基づいて、各校のカリキュラムを定めていきます。
「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校での、それぞれの教科などの教育目標や大まかな教育内容や各教科の年間の標準授業数が定められており、各校がこれをもとに地域の実態に応じてカリキュラムを編成していきます。
近年では、小学校から英語教育が導入される点や、主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の観点から、生徒同士の議論やグループワークを通して、多様な価値観の中で学びを深める、といった点に注目が集まっています。
「学習指導要録」とは
「学習指導要録(指導要録)」とは、日本の学校において幼児・児童・生徒の学籍並びに指導の過程、結果を要約し記録したものであり、その後の指導及び外部に対する証明などに役立たせるための原簿となるものを指しています。
行動や各教科の学習記録、評定、指導上参考となる諸事項が記載され、進学の際には、その写しを進学先に送付、共有しています。
「学習指導要領」と「学習指導要録」のちがい
「学習指導要領」は、学校が各学年の生徒に対して、どのような教育課程(カリキュラム)でどのように指導するのかを国である文部科学省が定めたものであり、「学習指導要録(指導要録)」は、その幼児・児童・生徒が、「学習指導要領」に基づいた学校教育の中で、どのように学び過ごしてきたかを指導などに生かす目的で記録し、進学先に連携していくものです。
大きな観点でいえば、学校教育の指導のための「指針」が「学習指導要領」、指導を受けた「結果」「積み上げ記録」などが「学習指導要録(指導要録)」となります。
「学習指導要領」と「学習指導要録」のちがい まとめ
今回は、「学習指導要領」と「学習指導要録」のちがいについてご紹介しました。
「学習指導要領」での教育がどう積み重なっていくかの記録が「学習指導要録」である側面から、「学習指導要領」の改訂に伴って、しばしば「学習指導要録」も改訂されています。
学校教育の指針が改訂され、子供たちの教育記録がどのように変化していくのか、今後の学校教育にとっての検証や改善に役立てられることを期待したいものですね。