レトルト食品の進化のおかげで、作ることに多少手間のかかっていた料理が気軽に、手軽に食べられるようになりました。
その結果、忙しい日の夕食だけでなく、家でのお昼ご飯のラインナップが格段に増えたといっても過言ではないでしょう。
例えば、「ハヤシライス」というメニューもそのひとつです。「ハヤシライス」とよく似た見た目の「ハッシュドビーフ」も同様ですね。今回は、「ハヤシライス」と「ハッシュドビーフ」のちがいについてご紹介します。
「ハヤシライス」とは
「ハヤシライス」とは、薄切りの玉ねぎと牛肉を炒めてから、トマトピューレやデミグラスソースで煮込んだ料理で、ライスにかけて食べるものです。洋食の定番と言えるメニューではないでしょうか。
「ハッシュドビーフ」とは
「ハッシュドビーフ」とは、細切りの玉ねぎと牛肉をデミグラスソース、赤ワインで煮込んで作る料理です。こちらも「ハヤシライス」同様に、ライスと一緒に食べる洋食ですね。
「ハヤシライス」と「ハッシュドビーフ」のちがい
「ハヤシライス」と「ハッシュドビーフ」のちがいをみてみましょう。
「ハヤシライス」とは、玉ねぎや牛肉を炒めてからソースで煮込みますが、「ハッシュドビーフ」は、玉ねぎや牛肉をそのままソースで煮込んでいきます。
そのため、作り方と味に多少のちがいが出てきます。「ハヤシライス」は炒めた分、素材の味が引き立ったものであり、「ハッシュドビーフ」は、素材を炒めない、赤ワインが入っている、というちがいからよりソースの味が主体となっています。
また、「ハヤシライス」は、西洋の「ハッシュドビーフ」を参考に日本人が、日本人の好みに合うようにアレンジして作り上げた「洋食」であるのに対して、「ハッシュドビーフ」は、もとから西洋で食されていた西欧料理である、というちがいがあります。
そのため、日本には「ハヤシライス」と「ハッシュドビーフ」がありますが、西欧では「ハッシュドビーフ」だけである、というちがいもあるのです。
「ハヤシライス」と「ハッシュドビーフ」のちがい まとめ
江戸時代が終わり、明治時代以降の日本では、海外との交易が盛んになりました。
料理や食べるもの自体も西欧の文化が導入されて、西洋式に変化したり、西洋の様式を取り入れ、より日本人向けに改良されたりしていきます。
西欧固有の食材で、日本にはなかったものが存在したことも含めて、日本人のシェフたちの努力や試行錯誤が、「ハヤシライス」だけでなく「オムライス」「カツレツ」など、今では定番となった洋食メニューが生まれたのです。
そういったことを踏まえて、改めて「ハヤシライス」などの洋食を、味わって食べてみるのもいいですね。