身の回りのものをきっちり消毒をして、清潔さを保ちたいときに役に立つのが、アルコール消毒液。
これを使っておけば、目に見える汚れだけでなく、ウイルスなどによる病気の危険も、かなりの確率で避けることができます。
きれい好きな人にとっては、欠かせないアイテムですよね。
でも、アルコール消毒液は消費ペースが結構早いので、いざ消毒したいというときに、すっかり切らしてしまっていた……ということもあり得ます。
慌てて買いに行ったとしても、いつも売っているとは限りません。
「まあ、しばらくは仕方ないか」と諦められる人なら、次に手に入れられる機会を待てばよいですが、場合によっては今すぐ必要だ、ということもあります。
そうなると、困ってしまいますよね。
この記事では、そんなときにアルコール消毒液の代用品として使えるものを、いくつか紹介していきたいと思います。
また、それらの代用品についての基本的な考え方や注意点についても、必要なだけ解説していきますので、ぜひ頭に入れておくようにしてください。
アルコール消毒液の代用品の考え方
アルコール消毒液を使う目的は、その言葉通り、消毒することにあります。
アルコールは昔から消毒の目的で使われてきたもので、非常に身近な存在ですよね。
しかし、他にもアルコールといって思いつくものもあるのではないでしょうか?
そう、アルコールは他にも、いろいろな目的で使われているものなのです。
他の目的で使われているアルコールを、消毒の目的で代用する、というのが、まず第一の考え方です。
ここで大事になるのは、アルコールの度数です。
あまり薄すぎると、除菌という目的にはあまり役に立ちません。
その目的で使うためには、だいたい度数70パーセントくらいの濃度は必要であると言われています。
そして、アルコール以外にも、除菌の効果を持っている成分は存在します。
そういう成分を含んだ製品も、アルコール消毒液の代用品として使うことができます。
ただ、一口に除菌と言っても、「○○には効くの?」「××のときにも使えるの?」という疑問がいろいろ出てくると思います。
その点については、まだまだはっきりしていない点もあるので、一概に「何にでも効きます」と言うことはできません。
しかしもちろん、何もしないよりはずっと清潔さを保つことができることは間違いありませんので、覚えておいて損はないでしょう。
アルコール除菌液の代表品を使うときの注意点
アルコール消毒液は、そのまますぐ使っても問題ないように作られた製品なので安全ですが、代用品を使う場合は、自分で安全を確保しなければならない場合があります。
「似たようなものだから、同じように使っても大丈夫だろう」と油断していると、大変なことになってしまう可能性も、ないわけではありません。
代表的な注意事項を挙げておきますので、しっかり覚えておくようにしてください。
メタノールは危険!
注意すべきことの筆頭として、アルコールの種類が挙げられます。
消毒液に使われているアルコールは、エタノールという種類のアルコール。
しかし、これとそっくりな名前のアルコールに、メタノールというものがあります。
「エ」と「メ」の違いしかないので、似たようなものだろうと思われるかもしれませんが、実はこの二つは、目的がまったく違うものです。
メタノールは主に燃料として使われるアルコール。学校の授業でアルコールランプを使ったことがあるかと思いますが、あれがメタノールですね。
これは有毒なものなので、決して消毒用に使ってはいけません。
濃度や混ぜ合わせに気をつけよう
また、他の代用品にも、濃度をきちんと調節しないと、人体に悪い影響が出てしまうものがあります。
特に、素手で拭き掃除をするように場合に、濃度が高すぎるものを使ってしまうと、手の皮膚が傷んでしまう原因となりますので、これは気をつける必要があるでしょう。
さらに言えば、複数の代用品を混ぜて使うのもNGです。
相性の悪いもの同士を混ぜてしまうと、有毒なガスが発生したりすることもありますので、それぞれの製品は必ず単体で使うようにしてください。
石鹸はとても強力
アルコール消毒液の代用品を求めている人に対して、これを言うのは少し筋違いかもしれませんが、特別な消毒液を求めなくても、いちばん身近な石鹸はじゅうぶんに強力です。
あなたの目的が、手などの体を消毒することであるならば、アルコール消毒液の代用品をあえて求めなくても、石鹸でしっかりを洗うことで、目的はほぼ達成できます。
焦って代用品を求めてしまう前に、まずは「しっかり石鹸で洗う」という基本を徹底することも、大事ではないかと思われます。
代用品にできる商品
それでは、アルコール消毒液の代用品として使うことのできるものを、いくつか紹介していきましょう。
台所用洗剤
食器を洗うのに使う、台所用洗剤。いろいろなタイプがありますが、それらはアルコール消毒液の代用品として使うことができます。
身の回りのものを拭くのに使うことを想定しての代用品ですが、手荒れしない人であれば、その気になれば手を洗うのに使うこともできるでしょう。
具体的には、洗剤の中に含まれている「界面活性剤」が、除菌の効果を持っています。
なので、この成分を特に強くアピールしている製品があるなら、それを選ぶことで高い消毒効果を期待できるかもしれません。
除菌ウエットティッシュ
ウエットティッシュにもいろいろな種類がありますが、その中でも「除菌」という名前のついた製品がありますよね。
これらはその名の通りの効果を持っていますので、アルコール消毒液の代用品として使うことができます。
除菌ウエットティッシュの欠点としては、一枚一枚がすぐに乾いてしまうので、広い場所を除菌したいときに、大量に使わなければならない点が挙げられるでしょうか。
こればかりは仕方のないことなので、ケチらずに使うしかないですが……。
アルコール度数の強いお酒
アルコールと聞いたときに、消毒と同じか、あるいはそれより先に連想するのが、お酒ではないでしょうか。
ビールやワインといった「よくあるお酒」は、アルコール度数がせいぜい20度ほどで、これらは消毒とはほとんど関係ありません。
しかし、世の中には信じられないくらい強い度数のお酒が存在します。
その数字が、除菌に適した70度(70パーセント)を超えるとき、そのお酒はアルコール消毒液の代用品として使うことができるようになります。
度数の強いお酒の代表格は、ポーランドのウオッカである「スピリタス」でしょうか。
アルコール度数、実に96度。
もうほとんど「アルコールそのもの」といっても過言ではありませんので、そのまま消毒液として使ってしまっても、きちんと効果を発揮してくれます。
日本のお酒では、請福酒造というところが作っている「SEIFUKU77」というお酒が有効です。
名前にある通り、このお酒の度数は77度。これだけあれば、消毒薬の代用品としてはじゅうぶんな働きをしてくれるでしょう。
他にもいろいろなお酒がありますので、度数を確認してから、いざというときの消毒用に買っておくとよいかもしれません。
次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムも、アルコール消毒液の代用品として使うことができます。
ただし、これを扱うときには、きちんと薄めることが重要になります。
そうでないと、逆に有害だからです。
詳しいことは、それぞれの製品に書かれた注意書きを見ていただきたいのですが、ここで簡単に説明しますと、だいたい次のように薄めることが求められています。
「原液1に対して、水を50~200」
たとえば、原液を10mlに対して、水を500~2000mlという具合ですね。
他にも、手など体を洗うのには使わないこと、じゅうぶんに換気をしながら使うこと、他の洗剤と混ぜないこと、金属を腐食させる可能性があるので、使ったあとで水拭きすること、などが注意点となります。
まとめ
以上、アルコール消毒液の代用品の紹介と、それらを使ううえで覚えておくべきことについての解説をいたしました。
身の回りを清潔に保つことは、衛生的な意味でとても大切です。
しかし、代用品を使って、自己流で間違ったやり方をしてしまうと、かえって有害だったり、危険だったりすることもあります。
そういったことにじゅうぶん気をつけたうえで、正しく除菌するようにしてください。