「いちおう、確認しました」と書くときなど、「いちおう」が「一応」「一様」どちらかなのか迷うことはありませんか?
「一応」と「一様」は読み方が似ているため、間違いやすい言葉です。
今回は、「一応」と「一様」の違いについてお伝えします。
「一応」とは
「一応」は、「いちおう」と読みます。
- 「一」…「ひとまとまり」
- 「応」…「ふさわしい、受け答えをする、従う」
の意味をもつ漢字によって成り立っています。
- 完全ではないが、始めから終わりまでざっと、おおざっぱに
- 念のために
という意味です。
「一応」は副詞で、動詞、形容詞、形容動詞を修飾し、程度などを説明します。
文章では、「正しいかわからないが、一応やってみた」(正しいかわからないが、とりあえずやってみた)、「先生に、一応聞いてみた」(先生に、念のためにきいてみた)といったように使います。
「一様」とは
「一様」は、「いちよう」と読みます。
- 「一」…「ひとまとまり」
- 「様」…「物事や人の状態、ありさま」
の意味をもつ漢字によって成り立っています。
「一様」は
- 多くの物が、区別がつかないほど全て同じ様子
- 世間に広くありふれていること、「尋常一様(じんじょういちよう)」ともいう
という意味です。
「一様」は形容動詞「一様だ」のことで、正確にいうと「一様」のみでは使いません。
「一様」に「だ」「で」「に」「な」などがつき、「一様だ」「一様で」「一様に」「一様な」といったように使います。
古語では、「一様なり」です。
文章では、「人々が、一様にうなずいた」(人々皆が、同じようにうなずいた)、「尋常一様の方法では、この問題を解決できない」(世間にありふれているような方法では、この問題を解決できない)
といったように使います。
「一応」と「一様」の違い
「一応」と「一様」の違いは、
「完全ではないが一通り、念のため」という意味
副詞で、動詞、形容動詞、形容詞を修飾する。文中では、変化せず「一応」と使う。
「全てが、区別がつかないほど同じ様子」という意味
形容動詞「一様だ」「一様なり」のことで、文中での使われ方によって「一様だ」「一様で」「一様に」「一様な」など変化する
「一応」「一様」を使う場面
- 「一応」…事柄を、誰かに念のために確認しておきたいとき
- 「一様」…多くの人や物が、全て同じ様子を示すとき
「一応」と「一様」の違いまとめ
「一応」と「一様」の違いについてお伝えしました。
「いちおう」「いちよう」の音が似ているため、間違えやすい言葉です。
「一応確認しました」を「一様確認しました」とすると、おかしな文章になってしまいます。お伝えした「一応」と「一様」の違いを、ぜひ参考にしてくださいね。